2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640148
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金子 誠 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (10007172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田谷 久雄 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (40257241)
日合 文雄 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (30092571)
有澤 眞理子 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (50312632)
内田 興二 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (20004294)
中村 誠 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (70312634)
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Keywords | ハーディー空間 / 直行最大関数 / 非接最大関数 / オルリッツ空間 / グランド最大関数 / コーシー・リーマンの方程式 / 振動レイマン境界条件 / 岩澤不変量 |
Research Abstract |
関数のフーリエ級数展開や、ヴェーヴレット展開等は、複雑な関数を簡単な関数の和として捉えようとの試みであり、その背景にはその収束性がなければいけない。その収束を示すためには近似する関数族が作る最大関数の解析が必要となる。関数の概念を拡張した超関数から作られているハーディー空間の元の近似という観点から導き出される最大関数を取り上げ、その解析のための技術の改良を試みている。 ハーディー空間を特徴付ける6種類の最大関数のそれぞれにヤングの関数と呼ばれる関数を被せたものの積分可能性が同値となることを証明できることを昨年報告した。ハーディー・リトルウッドの最大関数作用素が有界とならないオルリッツ空間での取り扱いを可能とする方法を提示し、6つの積分可能性の同値性の証明に成功している。 本年度は、1未満のpに対するp乗積分可能性の議論を含む形に昨年度の結果を改良することを試み、成功した。p乗関数を特殊な場合とし、さらに、ヤングの関数をも含む関数で、下方p型と呼ばれる関数を扱い、昨年度の結果におけるヤングの関数を下方p型関数で置きかえられることを示した。オルリッツ空間の双対性などの性質を用いない独自の方法を考案し、見通しの良い証明を与えることができた。また、ハーディー空間理論の元来の出発点である共役調和関数系の境界値との関係を調べ、共役調和関数系から作られる最大関数に下方p型関数を被せたものの積分可能性よりその境界関数(超関数)の様子を知る事ができることもわかった。さらに、最大関数に下方p型関数を被せたものの積分可能性がアトム分解可能性を導くことを、被せる関数に幾つかの条件を付けてではあるが、構成的に行うことができた。 関連する結果として、反射力の長時間平均と振動レイマン境界条件についての関係や、自由積型の自己同型とその交叉積の性質、岩澤不変量の計算において興味ある結果を得ることができた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Kaneko, Y.Zhang: "Comparison between the Orlicz Norms of the maximal functions characterizing the Hardy spaces"Interdisciplinary Information Sciences. 8・2. 151-156 (2002)
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[Publications] M.Arisawa: "Long time average reflection force and homogiringation of oscillating Neuquann boundary conditions"Ann.Inst.Henri.Poincare/Anal. non lineaire. 20・2. 293-332 (2003)
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[Publications] F.Hiai, X.Zhan: "Inequalities involving unitarily invariant norms and operator monotonal functions"Linear Algebra Appl.. 341・2. 151-169 (2002)
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[Publications] F.Hiai, M.Miguo, D.Petg: "Free relative entropy for measures and a corresponding perturbation theory"J.Math.Soc.Japan. 54・3. 679-718 (2002)
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[Publications] 田谷久雄, 福田隆: "岩澤不変量の計算-Compulation of Iwasawa Invariants"日本応用数理学会論文誌. 12・2. 293-306 (2002)