2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640185
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
佐官 謙一 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70110856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小森 洋平 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (70264794)
西尾 昌治 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90228156)
今吉 洋一 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30091656)
中西 敏浩 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50701546)
須川 敏幸 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30235858)
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Keywords | 擬対称関数 / 擬等角写像 / 擬等角拡張 / 極値拡張 / 非調和比 / 共役関数 / 調和拡張 / タイヒミュラー空間 |
Research Abstract |
代表者佐官は、当該研究課題の海外共同研究者であるD.Partykaとの共同研究を継続している。その成果として"On Heinz's inequality"を発表した。また、単位円板から単位円板の上への1対1かつ調和な擬等角写像に関するSchwarzの補題および漸近的にシャープなHeinzの不等式についての成果を、間もなく論文として投稿予定である。前者では、単位円板から単位円板の上への1対1かつ調和な写像に関するHeinzの結果を、単位円周の自己同型のポアソン積分で与えられる写像の場合に改良した。応用として調和かつ擬等角である写像に対し対応する結果を示した。後者の投稿予定の論文では、単位円周の自己同型のポアソン積分で与えられるK擬等角写像に対するSchwarzの補題にあたる結果を導き、その応用としてKが1に収束するとき漸近的にシャープであるようにHeinzの結果を改良した。 これらの研究により、先ず単位円周の自己同型のポアソン積分で与えられる調和写像が擬等角であるための必要十分条件が判明し、次に擬等角である場合には境界関数の擬対称性を用いた解析が興味深いことが分かってきた。また、タイヒミュラー空間等の研究への応用が期待される。擬対称性の解析には、調和測度、非調和比による最大歪曲度等の表現の解析が必要になり、調和拡張の擬等角性には、境界歪曲度、共役関数、コーシーの特異積分が深く関わっている。それらの解析について、分担者西尾、吉田とポテンシャル論、確率論的観点から検討している。また、境界歪曲度は、調和拡張の擬等角性のみならず極値拡張とも密接に関連している。その解析については、関連する研究を行っているYu-Liang Shenとの研究連絡を継続しつつ、分担者大竹、須川と議論を重ねている。分担者今吉、小森、中西とは、タイヒミュラー空間に関連する各々の専門的研究の成果と当該研究との関連性を検討している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] D.Portyka, K.Sakan: "On Heinz's Inequality"Bull.Soc.Sci.Lettres Lodz Ser.Rech.Deform.37. 52. 27-34 (2002)
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[Publications] Y.Imayoshi, M.Ito, H.Yamamoto: "On the Nielsen-Thurston-Bers type of some self-maps of Riemann surfaces with two specified points"Osaka J.Math.. 40. 659-685 (2003)
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[Publications] M.Nishio, K.Shimomura: "A characterization of caloric morphisms between manifolds"Ann.Acad.Sci.Fenn.Math.. 28. 111-122 (2003)
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[Publications] Y.Komori: "On the boundary of the Earle slice for punctured torus groups, Kleinian groups and hyperbolic 3-manifolds"London Math.Soc.Lec.Notes. 299. 293-304 (2003)
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[Publications] T.Nakanishi, M.Naatanen: "穴あき曲面群のSL(2,C)表現とトレース恒等式,双曲空間に関連する研究とその展望"数理解析研究所講究録. 1329. 72-83 (2003)
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[Publications] V.Gutlyanskii, O.Martio, T.Sugawa, M.Vuorinen: "On the existence and uniqueness theorems for the degenerate Beltrami equation"Dokl.Akad.Nauk. 393. 1-3 (2003)