2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640200
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
田中 尚人 福岡大学, 理学部, 助教授 (00247222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 克幸 神戸大学, 海事科学部, 助教授 (40232227)
丸尾 健二 神戸大学, 海事科学部, 教授 (90028225)
黒木場 正城 福岡大学, 理学部, 助手 (60291837)
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Keywords | 粘性解 / 劣微分 |
Research Abstract |
3年計画の最終年度として、本年度は 1 障害物問題を定式化する様々の手法とこれまでの結果を調査し、粘性解の方法と比較検討する、2 障害物問題に対する粘性解の概念を用いた定式化を検討し、その優位な点を発見、展開する、3 各分担者の専門とする様々な非線形偏微分方程式の可解性と粘性解による手法との比較検討を行う。の3点に重点をおいて研究を遂行した。その結果、研究代表者及び各分担者は以下に述べるように、それぞれの担当分野で大きな成果を収めることができた。 田中はNavier-Stokes方程式に対する自由表面問題を、流体の圧縮性、熱伝導性や界面での表面張力の影響を考慮に入れて解析した。その結果、時間に関する局所解及び大域解の存在定理が証明された。 丸尾は退化する半線形楕円型方程式に対して、非有界な球対称粘性解を構成し、無限遠における漸近挙動に応じて解を分類した。障害物問題の近似解を構成するには、1次元化した方程式の解を利用することが考えられるが、今回得られた球対称な解は、この近似解の構成に重要な役割を果たすことが期待される。 石井は平均曲率流方程式の解に対する数値計算の方法として、1992年にBence, Merriman, Osherによって提唱されたアルゴリズムの収束性を、粘性解の方法を用いて数学的に厳密に証明した。 黒木場は自己相互作用粒子系の粒子の振る舞いを記述するdrift-diffusion方程式系に対して、初期条件から定まるある値を閾値として、有界な解が大域的に存在するかあるいは有限時間で爆発する、ということを示した。 最後に草野は研究協力者として、Howard-Maricが与えた2階常微分方程式が(Karamataの意味で)2つの正則変動な解を持つための必要十分条件を、2階の半分線形方程式に対して完全な形で拡張した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 伊藤茂治, 田中尚人, 谷温之: "The initial value problem for the Navier-Stokes equations with general Slip boundary condition in Holder spaces"J.Math.Fluid Mech.. 5. 276-301 (2003)
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[Publications] 田中尚人, 谷温之: "Surface waves for a compressible viscous fluid"J.Math.Fluid Mech.. 5. 303-363 (2003)
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[Publications] 富田義人, 丸尾健二: "Unbounded radially symmetric viscosity solutions of semilinear degenerate elliptic equations"Sci.Math.Jpn.. 58. 15-31 (2003)
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[Publications] 石井克幸, 中村武: "An error estimate to Bence-Merriman-Osher algorithm for motion by mean curvature"神戸商船大学紀要、第2類、商船・理工学編. 51. 105-115 (2003)
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[Publications] 黒木場正城, 小川卓克: "Finite time blow-up of the solution for a nonlinear parabolic equation of drift-diffusion type"Diff.Integral Equations. 16. 427-452 (2003)
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[Publications] J.Jaros, 草野尚, 谷川智幸: "Nonoscillation theory for second order half-linear differential equations in the framework of regular variation"Result.Math.. 43. 129-149 (2003)