2004 Fiscal Year Annual Research Report
非可換微分幾何に基づくカイラルな格子ゲージ理論のアノマリーと指数定理に関する研究
Project/Area Number |
13640258
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
藤原 高徳 茨城大学, 理学部, 教授 (50183596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 博 茨城大学, 理工学研究科, 助教授 (90250977)
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Keywords | lattice gauge theory / chiral fermion / anomaly / quantum field theory / supersymmetry / Wess-Zumino model / lattice fermion / radiative correction |
Research Abstract |
今年度、重点的に取り組んだ課題は、(1)Ginsparg-Wilsonフェルミオンの正準形式に基づく定式化、(2)格子上の超対称Wess-Zumino模型の定式化、の二つである。 (1)Ginsparg-Wilsonフェルミオンの正準形式に基づく定式化の可能性を研究した。ユークリッド化された格子上の経路積分をもちいて定義された理論では、理論のユニタリ性が明白でなく、状態や演算子の物理的解釈に適さない。われわれは、時間を連続変数とする3次元格子上でGinsparg-Wilson関係式を満たDirac演算子を導入し、明白でユニタリなGinsparg-Wilsonフェルミオンの作用を定義し、自由な理論に対してダブラーを回避すると同時に厳密なカイラル対称性を持つことを確かめた。ゲージ場との結合を導入することでこのカイラル対称はあからさまに破れ、連続極限で正しくカイラルアノマリーが再現されることを示した。 (2)Ginsparg-Wilsonフェルミオンをもちいて、四次元格子上の超対称Wess-Zumino模型の研究を行い、1ループレベルで輻射補正を計算し、超対称性な連続極限がひとつのパラメータを調整することで取れることを確かめた。超対称カレントの満たすWard-Takahashi恒等式を連続極限で摂動論的解析し、非くり込み定理がこの次数で成立していることを示した。Ginsparg-Wilsonフェルミオンをもちいる定式化は、格子上で厳密なU(1)R対称性を保持しているために、Wilsonフェルミオンをもちいる定式化と比較して、くり込みの議論がかなり改善されることを示した。
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