2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640266
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤川 和男 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (30013436)
|
Keywords | ゲージ理論 / 格子ゲージ理論 / カイラル対称性 / CP対称性 / 超対称性 |
Research Abstract |
今年度は、格子ゲージ理論のフェルミ粒子の問題に関する考察を続けた。とくに、超対称性を格子上で定義する問題の考察を行った。まず、格子上では一般に微分演算子がLeibniz則を満たさなくなるが、この原因を紫外での場の理論の振る舞いと関係付けた。すなわち、連続理論で微分を定義するときに既に、問題が現れていることを指摘した。同時に、この問題を回避するには、理論が有限であることが、一つの解決法であることを示し、事実4次元のWess-Zumino模型と呼ばれる超対称な模型を矛盾なく定義する一つの方法を与えた。またこの処方の一般性を見通しよく理解するために、2次元の簡単化された模型を用いて、詳細を吟味した。 もう一つの研究テーマとして、格子ゲージ理論におけるGinsparg-Wilsonの関係式を用いて定義されたフェルミ演算子の研究を続けた。一般的にこのような演算子を用いてカイラルな理論を構成するときには、CP対称性の破れは避けることができないことを示した。量子化したときに、このCPの破れがどのような形で現れるかは重要なことであるが、その詳細な分析も行った。Higgs機構が起こるときには、現実的に問題となりうることを指摘した。このCPの破れは、より一般にはDomain wall型と呼ばれる格子上のフェルミ粒子にも共通したものであることを示した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] K.Fujikawa, M.Ishibashi: "A perturbative study of general class of lattice Dirac operators"Phys. Rev. D. 65. 114504 (2002)
-
[Publications] K.Fujikawa, M.Ishibashi, H.Suzuki: "Ginsparg-Wilson operators and a no-go theorem"Phys. Lett. B. 538. 197-201 (2002)
-
[Publications] K.Fujikawa, M.Ishibashi, H.Suzuki: "CP breaking in lattice chiral gauge theories"JHEP. 0204. 046 (2002)
-
[Publications] K.Fujikawa: "Supersymmetry on the lattice and the Leibniz rule"Nucl. Phys. B. 636. 80-98 (2002)
-
[Publications] K.Fujikawa: "N=2 Wess-Zumino model on the d=2 Euclidean lattice"Phys. Rev. D. 66. 074510 (2002)
-
[Publications] K.Fujikawa, H.Suzuki: "Domain wall fermion and CP symmetry breaking"Phys. Rev. D. (印刷中).