2002 Fiscal Year Annual Research Report
中空糸膜を用いた超高感度水中ラドン検出器開発と地震前兆現象の研究
Project/Area Number |
13640274
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
田阪 茂樹 岐阜大学, 生涯学習教育研究センター, 教授 (60155059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 正也 岐阜大学, 生涯学習教育研究センター, 助教授 (80281046)
佐々木 嘉三 岐阜大学, 教育学部, 教授 (40021307)
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Keywords | ラドン / 地震 / 地震前兆現象 / 水中ラドン検出器 / 温泉湯量 / 温泉水温 / 水中ラドン濃度 / 溶存ガス |
Research Abstract |
岐阜県と福井県下の活断層上の深井戸及び神岡鉱山内の21箇所の地下水観測点で、地下水・温泉中のラドン濃度、自噴流量、水温等の連続観測を行なっている。福井県「平成の湯」では、a)平成12年10月6日鳥取県西部地震(M7.3)とb)平成12年6月7日石川県西方沖地震(M5.8)では、それぞれ地震の2時間半前、1日半前から、有意義な湯量、泉温の地震前兆変化現象を捉えた。しかし、温泉中ラドン濃度については明確な変化を捉えることができなかった。本研究では溶存ラドンガスの脱気効率を改善するために中空糸膜を使用し、静電捕集容器の容積を1Lから70Lに大きくした。4台の超高感度水中ラドン検出器を福井県1)平成の湯」(平成13年11月30日)、岐阜県2)「神岡鉱山」(平成13年9月13日)、3)「川上村」(平成14年1月24日)、4)「割石温泉」(平成14年3月24日)に設置した。これらの観測点では温泉・地下水が自噴しており、安定して地下水がラドン検出器に供給されている(4箇所の毎分自噴流量はそれぞれ150L,17L,2L,30L)。ラドン観測Web PageのURLは「http://lll.physics.gifu-u.acjp/」である。 特に、「平成の湯」では超高感度水中ラドン検出器に交換して、^<214>Poのカウント数が約130倍に増加した。平成13年11月頃から温泉中の溶存ガス量(炭酸ガス)が急激に増加し、電磁流量計の自噴流量変動解析から、溶存ガス量の増減には静穏期(±1L/分の流量変動)、中期(±2.5L/分)、突沸期(±7L/分)の3段階があることが判明した。突沸期は(1)7月4日〜7月19日、(2)10月12日〜11月9日であった。突沸期のラドン濃度は減少して、この後、(3)7月18日〜8月5日、(4)11月10日〜11月19日の期間にラドン濃度は急激に増加した。観測点から約50km以内で、8月18日に福井県北部でM4.5、11月17日に石川県南部でM4.5の地震が発生した。2つの地震の共通の前兆現象として、地震発生の1ヶ月くらい前から、溶存ガズ量の突沸期とラドン濃度の減少、その後のラドン濃度の急激な増加現象が観測された。他の3箇所の観測点についても安定したラドン観測が可能となり、現在ラドン観測データの解析中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shigeki Tasaka: "Development of the Groundwater Radon detector"Proceeding of Japan-Taiwan International Workshop on Hydrological and Geochemical Research for Earthquake Prediction, Sep. 24, 2002, Tsukuba, Japan. GSP Open-file report No. 384. 1-10 (2002)
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[Publications] 田阪 茂樹: "地下水中の原位置ラドン測定手法に関する研究"岐阜大学生涯学習教育研究センター研究報告. 2巻. 95-131 (2003)