2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640276
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三田 一郎 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60242806)
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Keywords | CP対称性 / 量子力学 / B中間子 |
Research Abstract |
本研究ではB中間子の2体崩壊に着目した。B中間子の2体崩壊過程を数えると70モード以上ある。PQCDを用いてこれらの崩壊分岐比を計算し、CP非保存全体を基礎的に理解するよう試みた。 観測ではBr(B→Kπ)がBr(B→ππ)より大きい。これはペンギン振幅が予想以上大きく寄与することを意味する。PQCDの最初のテストとしてBr(B→Kπ)とBr(B→ππ)を計算し、ペンギン振幅がなぜ大きくなるのか検討した。特にこの研究で注目されたことはペンギン消滅崩壊振幅がPQCDの枠内で計算可能であり、この振幅から強い相互作用の位相が求められたことだ。(文献1-2) B→KπとB→ππのCP非対称性を計算し強い相互作用からくる不確定性を検討した。PQCDではペンギン消滅崩壊振幅が大きく寄与することを予言する。この振幅は強い相互作用からでる終状態の相互位相を含み、PQCDにおけるCP非保存の予言と観測を比べることによってPQCDの正当性が確認できた。(文献4) B→ΦK崩壊にはペンギン振幅のみが寄与する。従って、Br(B→ΦK)を計算することによって、PQCDがペンギン振幅を正しく予言するかさらにPQCDの正当性を確認できる。ペンギン振幅が正しく予言されることを示した。(文献8) 標準模型ではB→φKとB→ΦKのCP非対称性が等しいことが示される。観測ではこの二つのCP非対称性は大きく異なり標準模型以外の物理が観測されたと考える学者も多かった。標準模型外の物理の候補として超対称性理論がある。本研究では超対称性理論でも実験で観測されている二つのCP非対称性の違いは理解できないことを示した。(文献9) B→D^<(*)>+Mの崩壊分岐比を計算した。(文献10)
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