2002 Fiscal Year Annual Research Report
超流動ヘリウムを用いた低エネルギースピン偏極不安定核ビームの生成
Project/Area Number |
13640286
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清水 俊 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60294146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出水 秀明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50294153)
下田 正 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70135656)
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Keywords | 超流動ヘリウム / スピン偏極 / K^+中間子ビーム |
Research Abstract |
本研究は、(1)不安定核ビームまたは(2)中間子ビームを打ち込むための、超流動ヘリウムターゲットの開発を目的とする。超流動ヘリウム中に打ち込まれたビームは、約3割がイオンのまま中性化しないことが我々の研究で明らかになっている。このイオンをヘリウム外に取り出し、偏極電子移行型のスピン偏極装置を用いて、低エネルギー不安定核ビームを生成する予定である。この時、不安定核を効率よく輸送するためには、不安定核の位置を正確に把握する必要がある。我々は、β崩壊によって発生するベータ線の軌跡から崩壊位置を測定している。そのため位置感応型ベータ線検出器系の構築をすることに力を入れた。さらに、6層からなるスタック型ベータ線レンジ測定型エンドポイント検出器を開発し、原子核の同定も可能にした。各検出器から、光ファイバーで読み出しているため、他の実験設備との干渉がほとんど無い。これらの検出器をガンマ線と同時計数することで、より詳しい情報が得られるはずである。一方、静止荷電K中間子実験において、液体ヘリウムターゲット上を用いることで測定精度が大幅に改善することを見出した。これは荷電崩壊粒子がストッパー物質と相互作用することで運動量分布がゆがむこと、中性粒子のストッパー中での電子陽電子変換を最小限にすること、等による。これらの実現性を、現存するK中間子ビームの微調整を行なうことや、実際に崩壊粒子の運動量を測定することで評価した。その結果、分散の小さなK中間子ビームを作れば、超流動ヘリウムは将来の実験で十分に活躍できることを見出した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.A.Aliev et al.: "Measurement of direct photon emission in K^+→π^+π^0γ decay"Physics Letter B. 554. 7-14 (2003)
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[Publications] S.Shimizu et al.: "Spin polarization of low-energy radioactive nuclear beam by tilted-foil technique"Nuclear Physics A. 701. 524c-527c (2002)
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[Publications] T.Shimoda et al.: "A spin polarizer for radioactive nuclear beams"Nuclear Physics A. 701. 583c-587c (2002)
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[Publications] K.Horie et al.: "Measurement of Γ(K_<u3>)/Γ(Ke_3) ratio using stopped K^+"Physics Letter B. 513. 311-318 (2001)