2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640288
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀧田 正人 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (20202161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 宗博 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (10260514)
原 隆宣 大阪大学, 理学研究科, 助手 (70283827)
羽澄 昌史 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (20263197)
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Keywords | スーパー神岡実験 / 上向きミューオン / 大気ニュートリノ / 南天 / AGN / 点源 |
Research Abstract |
北半球にあるスーパー神岡実験はニュートリノ起源の上向き突き抜けミューオンの天球座標上での分布を測定することにより、世界最高の感度で南天のニュートリノ点源(星など)を探索することができる。特に、最近話題となっているAGN(Active Galactic Nuclei)から期待されるミューオンニュートリノを観測することが可能である。スーパー神岡実験で期待されるAGNからのミューオンニュートリノによる上向きミューオン頻度は1年あたり、1から数事例であり、5年間観測することにより、十分な信号を得ることができる。大気ニュートリノによる雑音は1年当り0.05事例程度と見積もられ、信号に比べて無視できる。期待通りAGNからのミューオンニュートリノ信号を検出することに成功すれば、世界で初めてニュートリノ天源を発見することになり、宇宙線及び宇宙物理学に絶大な寄与をすることになる。 本年度行ったことを以下に列挙する.スーパー神岡実験測定器で観測されるはずの大気ニュートリノ起源上向きミューオンのモンテカルロシミュレーションを行い、それに対する雑音を見積もった。(原)月及び太陽軌道の精密計算を行い、宇宙線ミューオン流束中の太陽及び月の影を観測し、測定器の角度分解能が約1度程度であり、設置精度がおよそ0.数度であることを確認した。(大西)約2Hzの宇宙線ミューオンから上向きミューオンを選別するプログラムを開発し、平成13年度までのスーパー神岡実験データを実際に解析し、上向きミューオンデータを収集した。(瀧田)また、上向きミューオンには測定器を通り抜ける上向き突き抜けミューオンと測定器の中でストップする上向きストップミューオンがあるが、両者の違いは、親のニュートリノエネルギーの差であり、突き抜けミューオンの親ニュートリノのエネルギーはおよそ100GeVであり、ストップミューオンの親ニュートリノのエネルギーはおよそ10GeVである。両者の事例の測定器中での幾何学的なチェレンコフリングのパターンの差を利用して、両者を分離するソフトウェアの開発に成功した。(羽澄)
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[Publications] M.Malek et al.: "Search for Supernova Relic Neutrinos at Super-Kamiokande"Physical Review Letters. 90. 061101-061105 (2003)
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[Publications] S.Fukuda et al.: "Search for Neutrinos from Gamma-ray Bursts Using Super-Kamiokande"Astrophysical Journal. 578. 317-324 (2002)