2001 Fiscal Year Annual Research Report
クーロン障壁以下のアルファ移行反応を応用した天体核反応の研究
Project/Area Number |
13640292
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
池田 伸夫 九州大学, 工学研究院, 助教授 (70193208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相良 健至 九州大学, 理学研究院, 助教授 (00128026)
森信 俊平 九州大学, 理学研究院, 教授 (50016078)
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Keywords | 天体核反応 / ヘリウム燃焼 / 放射性捕獲反応 / 移行反応 / 直接反応過程 / クーロン障壁 / 質量分離器 |
Research Abstract |
本研究の初年度にあたる本年度においては、当初の予定通り、本研究実現の基礎を築くため、(1)固体標的箱の改造及びモーター用検出器系整備(2)九州大学理学部質量分離器の光学特性の精密調査を実施した。 (1)においては、現在質量分離器に装着されている大規模な気体標的システムのビーム上流に既存のビームモニター装置を改造し、複数の固体標的及びモニター用検出器を設置した。気体標的を利用する実験と本研究を両立させるため、標的は通常ビーム軸上から逃げた位置にあり、本実験を行う際に容易にビーム軸上に移動することが可能な構造とした。また、モニター用検出器の性能テストを実施し、目標を十分満たす性能を有することを確認した。 (2)に関し、当初は、従来の研究で確立されてきた気体標的位置を始点とする光学的特性に基づき、標的を移動した効果を精密化する予定であった。ところが、本年度に入り、確立していたはずの3重収束が成り立たなくなっている可能性が高いことが発覚した。そのため、質量分離器の光学的特性の再調査に多くの時間を割かざるを得ない状況となった。本研究実現の最も重要な鍵は、速度により分離を行う第一収束面における収束条件を正確におさえることにあるので、この状況をないがしろにはできず、入念に再調査を行うこととした。現在調査データの解析中である。 このように、項目(2)において当初の目論見よりかなりの遅れが生じているが、まもなくその原因を明らかにできると考えている。その判明次第、標的を移動した光学的効果の精密決定を行う予定である。その結果に基づき、第一焦点面スリットを本研究に最適化するよう改良を進め、テスト実験にまで早期に到達したいと考えている。
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