2002 Fiscal Year Annual Research Report
HETE2衛星と連携したフォローアップ観測によるγ線バーストの研究
Project/Area Number |
13640293
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
山内 誠 宮崎大学, 工学部, 助教授 (80264365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松澤 英之 宮崎大学, 工学部, 助手 (30301443)
廿日出 勇 宮崎大学, 工学部, 助教授 (30221500)
高岸 邦夫 宮崎大学, 工学部, 教授 (80041060)
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Keywords | トランジェント天体 / ガンマ線バースト / 観測 / 人工衛星 / 可視光観測 / 分光 |
Research Abstract |
アメリカ、フランス、日本の3ヶ国共同で開発したHETE2衛星は、昨年度の定常運用開始後、ガンマ線バーストの発見およびその位置情報の速報を行なっており、これまでに数十個に及ぶガンマ線バーストやX線バーストの情報がインターネットを通して数十秒程度で世界中の観測機関に送ることができた。このため、ガンマ線バーストの可視光残光の観測例も大幅に増え、HETE2衛星の主目的が達成されていることを確認した。 また我々は、HETE2衛星からの情報を受け自動で可視光観測を開始する小型望遠鏡システムを昨年度半ばに完成させ、自動観測を続けている。このシステムは口径30センチメートルの望遠鏡を使用しているため機動性が高く、バースト情報を入手してから2秒間でガンマ線バースト方向の観測が可能である。このシステムでの観測限界は快晴時の自動観測でR等級としておよそ17.8等であり、他の大型望遠鏡による可視光残光の観測結果と比較すると、我々のシステムで可視光残光を捉える可能性は高く、今までにいくつかの観測において残光等級の上限値が得られている。 バースト残光現象の物理的機構を解明するための大きな情報源となる残光スペクトル観測の準備も進めており、昨年度設計した分光器を本年度は完成させ、その校正データを取得中である。ガンマ線バーストの位置決定誤差は数分角程度あるので、分光器の視野の大きさをおよそ20分角にし、視野内のすべての星についてスペクトルを得ることができるようにした。また、ガンマ線バーストとスペクトルとの同定を可能にするために、星像そのものとスペクトルとを同時に取得できるシステムとした。来年度はひきつづき装置の調整を行ない、実際のスペクトル観測を開始する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] N.Kawai: "In-orbit Performance of the Wide-field X-ray Monitor on Board the High Energy T ransient Explorer 2"Proceedings of ASP (Astronomical Society of the Pacific) Conference. 251. 554-555 (2001)
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[Publications] M.Kohama: "RIBOTS: An Automatic Telescope System for Gamma-ray Burst Follow-up Observation"Proceedings of ASP (Astronomical Society of the Pacific) Conference. 251. 558-559 (2001)
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[Publications] G.Ricker: "GRB010921:Localization and Observations by the High Energy Transient Explorer Satellite"The Astrophysical Journal Letters. 571・2. 127-130 (2002)