2004 Fiscal Year Annual Research Report
HETE2衛星と連携したフォローアップ観測によるγ線バーストの研究
Project/Area Number |
13640293
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
山内 誠 宮崎大学, 工学部, 助教授 (80264365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岸 邦夫 宮崎大学, 工学部, 教授 (80041060)
廿日出 勇 宮崎大学, 工学部, 教授 (30221500)
松澤 英之 宮崎大学, 工学部, 助手 (30301443)
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Keywords | 国際情報交換 / トランジェント天体 / ガンマ線バースト / 観測 / 人工衛星 / X線スペクトル / 可視光観測 / 残光 |
Research Abstract |
HETE2衛星は今年度39個のバーストを捉え、その内19個のバーストについて位置決定に成功し、位置情報をネットワークを通して全世界に速報した。さらに位置決定されたバーストのうち1個はX線過剰ガンマ線バーストで、14個が典型的なガンマ線バースト、5個がX線フラッシュに分類されるものであった。これらはスペクトルの硬さによって分類されているが、HETE2衛星による観測から、これらの分類がはっきりとした境目を持つものではなく、スペクトルは連続的に分布していることが示された。また、典型的なガンマ線バーストではスペクトル中で放射エネルギー量が最大となるピークエネルギーと、等方的に放射しているとみなしたときの全放射エネルギーとの間には強い相関があることが指摘されているが、この相関を3桁程度外挿すると、この関係がX線フラッシュにも当てはまることが解った。さらに典型的なガンマ線バーストのスペクトルをもつバーストが、時間と共にX線過剰ガンマ線バーストのスペクトルに変化するものや、その逆の形に変化するものも見つかり、これら3種類のバーストが連続的に変化する同様の現象である可能性の高い事が解った。 また、HETE2衛星が位置速報したガンマ線バーストのうち、2004年10月6日に発見されたGRB041006について、我々はバースト発生から70秒後には可視光残光を観測することに成功した。このように早期に可視光残光が捉えられた例はこれまでにも数例しかなく、GRB041006では我々の観測が世界で最も早い観測であった。この観測の結果、残光の等級変化に2箇所の折れ曲りを見出すことができ、これらの変化が残光に対して提案されているシンクロトロンショックモデルでうまく説明できること、および残光発生においてフォワードショックが重要な働きをしていることを示した。
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Research Products
(5 results)