2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640308
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石橋 延幸 筑波大学, 物理学系, 教授 (70211729)
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Keywords | D-ブレーン / 膜の理論 / 行列模型 |
Research Abstract |
近年の研究によって、超弦理論の非摂動効果においてブレーンと呼ばれる広がった対象が重要な役割を果たしていることがわかってきた。特にM理論と呼ばれる理論の背後にあると考えられている理論の定式化においては2次元に広がった対象であるいわゆる膜の理論が基本的であると予想されている。最近、関野と米谷はコンパクト化された時空に巻きついた膜と行列弦模型との対応を指摘した。われわれは、彼らの対応を弦理論の立場から正当化した。また、この対応を使って、光円錐ゲージにおけるローレンツ代数が閉じるという条件から予想される臨界次元11を導き出せることを示した。 1次元以下の時空上の弦理論は行列模型の手法を使って厳密に解ける模型として弦理論の様々な性質を議論する際重要な役割を果たす。この模型において弦の非摂動効果は、行列の固有値のインスタントン的な配位のもたらす効果としてとらえることができる。最近.、このインスタントン的な配位を弦理論におけるD-インスタントンととらえることができることがわかってきた。我々は、この模型における弦の場の理論の立場から、このインスタントン解を解析し、この解は弦の場の理論の運動方程式の解ではあるが、通常の場の理論の場合と違い、結合定数に依存していることを示した。このために、弦の非摂動効果は点粒子の場合とは違った形をしている。また、この議論を踏まえた上で、弦理論の定式化において開いた弦はどのような役割を果たすかを議論した。
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