2002 Fiscal Year Annual Research Report
三次元の共有結合ネットワークを有する新規超微粒子創製と光機能性探索
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13640325
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
JEUNG SUN AHN 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (10249956)
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Keywords | クラスター / フラーレン / 超微粒子 / 混合溶媒 / カーボン / 発光スペクトル / 会合体 / サイズ効果 |
Research Abstract |
本研究の目的は以下のように設定した。 1.正20面体構造のC_<60>会合体における特異的な光重合反応の実態を明らかにし、3次元の共有結合ネットワークを持つ新規超微粒子の生成可能性を探る。 2.上記の新規超微粒子から光機能性を探索する。 以下に本年度の研究成果をまとめる。 これまでにわれわれが正20面体構造のC_<60>会合体であると主張してきた、単一成分有機溶媒〔ベンゼン、トルエン等〕系の凍結により生成される約数ナノメートルサイズ領域のC_<60>会合体と会合体のサイズが数百ナノメートル程度の比較的に大きいサイズのC_<60>会合体として知られる混合溶媒中で生成された会合体を用いて、ひかり重合反応のナノサイズ効果を調べた。サイズが数百ナノメートル程度の比較的大きいサイズの会合体においては、固体C_<60>における光重合反応と同様に、反応前後に軽微なスペクトルの変化しか観測されなかったのに対し、数ナノメートル程度の会合体においては光照射により大きなスペクトルの変化を示す結果が得られた。また、変化された発光スペクトルは常温の状態に上げても観測され、光重合反応の生成物が常温でも安定に存在できることが分かった。また、数ナノメートル領域におけるC_<60>会合体の光重合反応生成物における時間分解発光スペクトルの測定から、これらの寿命はC_<60>やC_<60>会合体のそれにくらべ数倍長くなっていることが分かった。このような寿命の変化は固体C_<60>やサイズが数百ナノメートル程度の比較的大きいサイズの会合体においては観測されない結果である。数ナノメートル領域におけるC_<60>会合体の光重合反応生成物の高分解能透過型電子顕微鏡観察やこれらの発光スペクトル及びその時間分解スペクトルをフラーレン誘導体のそれらと比較して考察した結果等を総合すると、会合体内における重合反応メカニズムは会合体のサイズによらず、固体C_<60>における光重合反応メカニズムと説明される「2+2開環付加反応」であると解釈できることが分かった。このことは、正20面体構造のC_<60>会合体における特異的な光重合反応は主に会合体の構造の違いから生じることを示唆し、光重合反応により3次元の共有結合ネットワークを持つ新規ナノクラスターの生成を示唆するものである。また、これらの新規なのクラスターは可視域に強い発光を示し、新しい白色光光源材料としても期待される。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] J.S.Ahn, K.Suzuki, Y.J.Kang, K.C.Je, H.M.Kim, T.Mitani: "Photoluminescence of C_<60> Aggregates in Solvent Mixtures"J. Kor. Phys. Soc.. 42. (2003)
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[Publications] K.C.Je, M.Choi, S.Y.Yim, J.S.Ahn, S.H.Park: "Separation of Screened Coulomb Interaction and Phase-space Filling in Exciton Bleaching of Multiple Quantum Wells"Phys. Rev. B. 66. 155312 (2002)
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[Publications] H.M.Kim, J.J.Kim, S.-H Park, J.S.Ahn, Y.J.Kang, K.C.Je: "Electrical and Optical Properties of IZO films deposited on PET substrates by RF-magnetron sputtering"Jpn. J. Appl. Phys.. 42. 223 (2003)