2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640328
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
藤間 信久 静岡大学, 工学部, 助教授 (30219042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 竜樹 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 講師 (30272941)
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Keywords | 遷移金属クラスター / ノンコリニア磁性 / カーボンナノチューブ / 第一原理分子動力学法 / 密度汎関数法 |
Research Abstract |
低次元有限系磁性としての興味やナノ磁性材料への応用が注目される、鉄ナノチェーンおよびナノクラスターについて、その構造と磁性をノンコリニア第一原理分子動力学法を用いて理論的に研究し、下記の点について明らかにした。 (1)鉄直鎖クラスターを安定に存在させるために、5員環で両端の閉じたカーボンナノカプセルに鉄直鎖クラスターを内包させ、その構造と磁気モーメントを求めた。鉄原子1個を内包させた正12面体ナノカプセルはエネルギー的に安定でないが、2量体から4量体のFe直鎖クラスターはチューブ状のナノカプセル内で直鎖構造を保ったまま安定に存在することがわかった。裸直鎖クラスターでは強磁性な平行配向するのに対し、チューブ内での磁気モーメントは、反強磁性的(反平行)に配向することがわかった。これは、フェルミレベル付近の電子状態が反平行スピン状態の方がエネルギー的に有利なこと、および鉄・ナノチューブ間の超交換相互によるものである。また、磁気モーメントの絶対値は裸クラスターに比べてかなり小さくなる。 (2)現実の系では重要な問題となる酸化の問題について考えるため、鉄1量体から5量体に酸素原子を付着させた系の構造および磁気モーメントを求めた。酸素原子の数が鉄原子の数より少ない間は強磁性的な大きい磁気モーメントをもつが、酸素原子がそれ以上になるとFe-O間の超交換相互作用により鉄の磁気モーメントが反強磁性的に配向し、クラスター全体の磁気モーメントは0もしくは微小になる。また、鉄1-2原子に酸素原子を1-6付着させた負イオンクラスターの構造とイオン化ポテンシャルについても明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Shiroishi, T.Oda, I.Hamada, N.Fujima: "Structure and Magnetism of Anion Iron Oxide Clusters, FenOm(n=1-2)"Mol.Simul.. (印刷中). (2004)
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[Publications] N.Fujima, T.Oda: "Structure and non-collinear magnetism of iron linear chains"Euro.Phys.J.D.. 24. 89-92 (2003)
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[Publications] H.Shiroishi, T.Oda, H.Hamada, N.Fujima: "Structure and magnetism on iron oxide clustes FenOm(n=1-5): Calculation ffrom first principles"Euro.Phys.J.D.. 24. 85-88 (2003)
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[Publications] T.Oda, A.Pasquarello: "tructural and Magnetic Correlations in Liquid Oxygen : An Ab Initio Molecular Dynamics Study"J.Phys.: Condens.Matter. 15. S89-S94 (2003)