2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640357
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
鈴木 勝 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (20196869)
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Keywords | 界面摩擦 / 物理吸着膜 / ヘリウム吸着膜 / グラファイト |
Research Abstract |
マクロスケールでの摩擦法則はよく知られた物理法則である。しかし、原子スケールでの摩擦力の性質はよく理解されているとは言いがたい。近年、原子間力顕微鏡や水晶マイクロバランス等の新しい実験技術の開発によって、マクロスケールとは異なった原子スケールの摩擦の振る舞いが観察されている。本研究では吸着膜の界面摩擦を決める重要な因子を明らかにすることを目的とした。実験では、これまでに特徴的なスリップ現象を報告したヘリウム吸着膜を選び、吸着基板としてグラファイト基板を選択した。水晶マイクロバランス(QCM)の振動子上にグラファイトを圧着する技術を開発することにより、非金属基板で初めて界面摩擦の測定にQCMを利用することが可能となった。 測定の結果、グラファイト基盤上のヘリウム吸着膜の摩擦について次のことが明らかになった。(1)摩擦力の温度変化は、2原子層および3原子層において観測される。このとき高温域では摩擦力が大きく、低温域では摩擦力が小さい。(2)2原子層と3原子層を比較すると、3原子層の摩擦力が減少を始める温度が低い。これらの結果は界面摩擦の大きさを決める因子に吸膜着の構造的な乱れが重要であるという考えを定性的に支持するものである。ヘリウム吸着膜のこれら特徴的な摩擦現象は、界面摩擦の研究に重要な知見を与えるものである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Suzuki, M.Hieda: "Slippage of nonsuper-fluid helium films"Physica B. (in press).
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[Publications] T.Ogura et al.: "QCM studies of ^4He films adsorbed on grafoil"Physica B. (in press).