2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640397
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
佐野 理 東京農工大学, 工学部, 教授 (80126292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 勝博 東京農工大学, 工学部, 助手 (40293013)
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Keywords | 粒状体 / 空洞 / 流量増加 / 地下水測定 / 構造破壊 / 地滑り / 空洞網形成 / セルオートマトン |
Research Abstract |
粒状体中に空洞領域があると,そこを流れる流体の流量や空洞中心流速が増加することが佐野らにより理論的に示されている.この予測の検証や複数個の空洞が存在する場合の相互作用を調べるために,新たな実験装置を作製して詳細な測定を行った. 1.流速場への影響:まず,1つの空洞についてその流量や流速分布への影響を定量的に確認し,次に2つの空洞の中心間距離と流れに対する迎え角を系統的に変化させて,両者の相互作用により流量が減少する配置や増加する配置などを明らかにした.とくに,上流側空洞よりも下流側空洞への流量や流速が増加する配置を発見した.これを多数の空洞の配置に応用すると,エネルギーを消費せずに特定の空洞に多量の水資源を誘導したり地下汚染物質を回収したりする技術に道が開けるものと思われる. 2.流れによる空洞の崩壊と成長:流速の局所的な加速によって粒状体空洞の構造破壊,さらには地滑りや雪崩へと発展する危険がある.当該年度は,前述の実験装置を用いて,空洞上流側壁面の崩壊が起こる臨界応力の値,および空洞成長の速度や向き等について定量的な測定を行った.とくに2つの空洞の相互作用により空洞崩壊が特異的に成長する配置を明らかにした. 3.数理モデルの構築:実験で得られた空洞崩壊の知見を取り入れたセルオートマトン・モデルを考案し,粒状体中に散在する複数の空洞系に応用した.これによると,粒状体の堅さや流速の違いに応じて空洞の移動,伸長,合併などが生じ,より大規模な空洞ネットワークが形成される過程が示された. これらの研究はミクロな素過程とマクロな流働を結び付け,しかも従来の連続体近似と分子動力学のギャップを埋める新たな研究手法の開発にもつながるものと期待され,その成果の一部は関連学会誌の論文および国際学会(第4回粒状体微視的力学国際会議,IUPAP第21回統計力学国際会議)などで既に公表されている.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] G.P.RajaSekhar: "Two-Dimensional Viscous Flow past a Slightly Deformed Circular Cavity in a Porous Media"Fluid Dynamics Research. 28. 281-293 (2001)
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[Publications] A.Ugawa: "Pattern formation of thin granular layer due to vertical vibration"Proc. 4th Intern. Conf. Micromech, Granular Media. 537-540 (2001)
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[Publications] S.Berszi: "Snake Patterns in Eurasia/Japan and Their Implications"Forma. 16. 279-287 (2001)
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[Publications] G.P.RajaSekhar: "粒状体中の水路網自己形成の素過程"京都大学数理解析研究所講究録. 1184. 13-29 (2001)
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[Publications] 鵜川亜希子: "鉛直に加振した粒状体薄層における準結晶的パターン"京都大学数理解析研究所講究録. 1184. 189-200 (2001)
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[Publications] 佐野理: "連続体力学"朝倉書店. 203 (2002)