2001 Fiscal Year Annual Research Report
パルスEPR法による光合成電子伝達鎖の3次元配置の研究
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13640412
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
河盛 阿佐子 関西学院大学, 理学部, 教授 (40079661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 英之 ブルカーバイオスピン(株), EPRアプリケーション
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Keywords | 光合成 / 光化学系II / 電子伝達 / P680 / クロロフィル / キノン / チロシン / マンガン |
Research Abstract |
光合成光化学系II供与体側の構造について水分解系のS_0状態でのマンガンのEPRを5Kで観測し、この信号とY_DとのPELDOR(パルス電子電子二重共鳴)を行った所、距離が34Aであり、以前本研究者が提出したS_2状態スピン中心とY_Dとの距離27Aより大きいことがわかった。2001年4月頃シアノバクテリアの単結晶の構造解析で4個のマンガンの配置とその間隔の概略がNatureに報告されたものと比較するとマンガンの位置についてはお互いに両立するものである。一方オーストラリアのPaceらのグループによるXANESの研究からはS_1からS_2への酸化に伴い電子密度がルーメン側からストロマ側に移動する報告があり、これと呼応して当然スピン中心の移動するという、Mnクラスターの新しい構造と酸化機能のデータを提供した。この報告は国際会議光合成2001及びアジア太平洋EPR/ESRシンポジウム(APES'01)に報告し、学会のProceedingにも出版される。 Clamydomonas reinhardtiiのTyrosine D(Y_D)を他のアミノ酸に置換してEPRの出ない変異体においてQ_AとY_zの距離を34Aと決定した。光阻害時のP680への供与体ChlzとTyrosine Z(Y_z)のPELDOR信号は観測されず、Chl_zはY_Dに近い位置29Aにあることを確定した。これについては国際生物理学会(ICBP)に発表し、結果はJ. Biol. Phys.に間もなく掲載される。 なお受容体Q_Aと反応中心P680については協力研究者S. A. Dzubaはスピン偏極したラジカル対のパルスEPRに関心をもちスピン緩和の研究を目的とする新しい観測法を試みた。 またもう一人の協力者R. Bittl氏とはPSIIの反応中心P680の3重項状態の時間分解CWEPR法を使ってP680の3重項のスペクトル解析を現在行っている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hiroyuki Mino, Asako Kawamori: "ESR studies of the water exidizing complex in the S, and higher Solates : manganese cluster and Yz radicals"Biochimica Biophysica Acta. 1503. 112-122 (2001)
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[Publications] K.Kindo, S.Ookita, Y.Sasaki, T.Matsukawa, A.Kawamori, K.Akatuta: "Magnetic Succeptibility : lity of the Non-Heme Iron in phtotosystemII"J. Physical Society of Japan. 70. 1495-1497 (2001)
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[Publications] A.Kawamori, N.Katsuta, H.Mino, A.Ishii, J Minagawa, FA.Ono: "Positions of QA and Chlz Relative to Tyrusine Yz and YD in PhotosystemII studied by pulsed EPR"J.Bidogical Physics. (in press). 1-14 (2002)