• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2001 Fiscal Year Annual Research Report

グラフ上における輸送現象の量子論

Research Project

Project/Area Number 13640413
Research InstitutionKochi University of Technology

Principal Investigator

全 卓樹  高知工科大学, 工学部, 助教授 (60227353)

Keywords点状相互作用 / 非ホロノミー / 量子論的トポロジー / ユニタリー対称性
Research Abstract

本年度の研究ではグラフ上の量子論の最も簡単な場合である一直線上に一点の欠損がある場合の1粒子量子系についての数学的構造の分析を行った。著者らの以前の研究で、この系は最も一般的には群U(2)であらわされる4つのパラメタの点状の相互作用のある系として記述されることが分かっていた。ここではこのパラメタ空間の中にパウリの3つのスピン行列で表される3つの非可換な変換があること、そしてこれが欠損点を原点とした直線の実空間におけるパリティ変換、半面射影変換、それらの組み合わせの3つに対応することを示した。また、これらの変換によって系の固有値スペクトルは不変に保たれることを示した。これらの直接の帰結として(あ)系の固有値を決めるのはパラメタのU(2)行列要素の2つの複素固有値(絶対値1)のみによる。
(い)パラメタ空間U(2)の中での2つのオイラー角による回転で結び付けられる全ての系は同一固有値スペクトルを持つという事が分かる。これはすなわち、全ての可能な4パラメタの点状相互作用のうちで、スペクトルが異なるのは固有値の角度を表す2パラメタ属(トーラス状の構造)で表され、回転角を表す2パラメタ属(球殻状の構造)で区別される全ての系はスペクトルが等しいと言うことである。そしてこのトーラス構造および球殻構造こそが各々スペクトル非ホロノミー、位相ホロノミーというこれまでに点状相互作用において見つかっていた奇妙な性質の根本的原因であることが明かされた。このようにして今回の研究によって点状相互作用の全体が分類され、それが隠れ持っていた非自明な幾何学的構造が初めて明らかになった。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] T.Cheon, T.Fulop, I.Tsutsui: "Symmetry, duality and anholonomy of point interaction in one dimension"Annals of Physics(NY). 294. 1-23 (2001)

  • [Publications] I.Tsutsui, T.Fulop, T.Cheon: "Moebius structure of the spectral space of Schroedinger equation with point interaction"Journal of Mathematical Physics. 42. 5687-5697 (2001)

URL: 

Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi