西南日本重力データベースの成果の普及および日本列島重力データベースの構築の着手

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13640428
• Research Institution: CHUBU UNIVERSITY
• Principal Investigator: 志知 龍一 中部大学, 工学部, 教授 (50022596)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 山本 明彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80191386)
• Keywords: 重力データベース / 西南日本 / 日本列島重力データベース / 無空白・稠密分布 / 重力アトラス / 1mgalの高精度

Research Abstract

●[本研究の目的] 本研究では2つの目標を目指す。目標1:2000年・2001年に相次いで地質調査所(現産総研)日本重力データベース(GSJDB)と西南日本重力データベース(SWJGD)(西南日本重力研究グループ(代表:志知・山本))が公表された。これで西南日本の殆ど全域で、無空白・稠密分布・高精度の重力データがそろったことに立脚し、西南日本地域での重力アトラスの出版をし、研究成果の公表・普及をする。目標2:完全にオープンな日本列島重力データベースの完成を期し、日本列島全域の無空白化を図りそのためのデータベース構築作業に着手する。データ空白域がまだ若干残っている東北日本地域でのデータ収集に着手する。
●[本年度の実績] (1)重力アトラス出版準備:第1目標のアトラス出版に向けて、以下の内容を確定した。国土地理院発行20万地勢図の範囲を1区画とし、西南日本で計60区画を取り、各区画ごとに以下の6種類の多色図版を作製する。「a)重力測定点と活断層(背景は地形陰影)(2色)、b)0.5mgal間隔重力図と活断層(白黒)、c)1mgal間隔重力異常図と地質・活断層(カラー4色)、d)1mgal間隔重力異常図と地形、e)活断層(カラー4色)、f)重力異常段彩図+1mgal等重力線と活断層(カラー4色)、g)重力異常勾配図と活断層(カラー4色)」の6種の図をB4サイズで同時に見られるように、3分冊・同一区画見開きにレイアウトする。このアトラスの原稿・原図を完成し、東大出版会に出版依頼をした。原図図版の質を格段に向上させるために、データ精度のさらなる改訂(2000点以上)とデータ分布密度が不十分な地域での測定の増・稠密化を行った。これで、1mgalの高精度を完全に保証した。(2)日本列島重力データベースの構築着手:データ処理体系が異なるSWJDB・GSJDBの両,データベースの同一基準への整合と統合を順次推進した。この作業の過程で多くの疑問なデータの特定をし、データ取得機関に出かけての精査を行った。また空白域にもまだ未収録データがあり、その所有機関に直接出向いての収録に当たった。本年度の経費は主に新規データの取得と、このための出張に費やした。

Research Products

• [Publications] Shichi, R., A.Yamamoto: "List of gravity data measured by Nagoya University"Bull.Nagoya University Museum Special Rept.. No.9, Part.I. 1-257 (2001)
• [Publications] Shichi, R., A.Yamamoto: "List of gravity data measured by the organizations other than Nagoya University"Bull.Nagoya University Museum Special Rept.. No.9, Part.II. 1-318 (2001)
• [Publications] Yamamoto, A.: "Spherical terrain corrections for gravity anomaly using a digital elevation model gridded with nodes at every 50m"J.Fac.Sci., Hokkaido Univ.. Vol.11, No.6. 845-880 (2002)
• [Publications] Yamamoto, A., W.Sun (Eds.): "Report on the Gravimetry in Japan during the Period from April 1998 to March 2002, The National Committee for Geodesy of Japan and the Geodetic Society of Japan"J.Geod.Soc.Japan. 48. 175-227 (2002)
• [Publications] 小室祐明, 古山勝彦, 志知龍一, 羽木伸幸, 山本明彦: "照来コールドロンの重力異常"火山. Vol.47, No.1. 9-15 (2002)
• [Publications] Shiota, A., I.Ohno, R.Shichi, H.Murakami, A.Yamamoto: "Gravity anomaly distribution and 3-D density structure in the Chugoku and Shikoku districts, Southwest Japan"J.Geod.Soc.Japan. Vol.48, No.4. 243-257 (2002)
• [Publications] Yamamoto, A.: "Gravity-based active fault mapping around the eastern margin of the Ishikari Lowland, Hokkaido, Japan"J.Fac.Sci., Hokkaido Univ.. Vol.12, No.1. 17-39 (2003)
• [Publications] Yamamoto, A.: "Dense clustering of latest Cenozoic caldera-like basins of central Hokkaido, Japan, evidenced by gravimetric study"J.Fac.Sci., Hokkaido Univ.. Vol.12, No.2. 75-95 (2004)