2001 Fiscal Year Annual Research Report
Hall-MHDシミュレーションを用いた磁気圏-電離圏-熱圏結合の研究
Project/Area Number |
13640448
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
品川 裕之 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (00262915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻野 瀧樹 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (00109274)
野澤 悟徳 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (60212130)
藤井 良一 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (00132712)
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Keywords | Hall-MHDシミュレーション / 磁気圏 / 電離圏 / 熱圏 / 電気伝導度 / 電場 / 沿磁力線電流 / 熱圏中性風 |
Research Abstract |
熱圏-電離圏-磁気圏結合をより良く理解するためには、全システムの相互作用を取り入れたシミュレーションコードの開発が必須である。本課題の目的は、このようなシミュレーションコードを開発し、熱圏-電離圏-磁気圏結合過程の理解を深めることである。近年、シミュレーションを用いた研究により、熱圏-電離圏相互作用や磁気圏の物理過程の理解は飛躍的に進歩してきている。これらのシミュレーションでは熱圏-電離圏相互作用の研究、磁気圏研究双方とも流体力学方程式に基づいているが、その具体的なアプローチは両者でかなり異なっている。熱圏-電離圏のシミュレーションでは、磁気圏と電離圏の相互作用において重要な役割を果たす電場の時間空間分布は通常与えられており、シミュレーションの中で自己矛盾なく解かれることはない。一方、磁気圏のシミュレーションでは、磁気圏-電離圏結合により変化する電離圏電気伝導度は仮定され与えられるのが普通である。このように系の間の相互作用によって変化すべき物理量を仮定して与えることにより生じる問題点が多数ある。そこで本計画では、1)磁気圏内で駆動される電場と熱圏中性風の運動により作られるダイナモ電場との結合を自己矛盾のない形で取り入れるとともに、2)下向き沿磁力線電流を担う電離圏電子の密度が低い場合に生成されると考えられる沿磁力線電場の効果や、3)ダイポール磁力線の曲がりの効果、4)微細構造について電子の慣性の効果を考慮にいれたコードの開発を目指す。 今年度は以下のことを進めた。1)汎用WSでコードの開発を行ってきたが、CPUの能力は十分ではなかった。そこで、専用高速PCへの移植を進めた。2)現在考慮されていない、中性風の影響や磁気圏対流を引き起こす様々な駆動源を取り入れてコードを改良し、境界条件や初期条件の与え方や解の安定性のテストを行うとともに、チューニングを試みた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Shinagawa, Hiroyuki: "Thermospheric and ionosphric dynamics in the auroral region"Advanges Space Research. (in press). (2002)
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[Publications] Oyama, Shin-ichiro: "Effects of auroral arc on the generation of tamospheric gravity waves in the polar F-region"Advanges Space Research. 27. 1,767-1,772 (2001)
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[Publications] Oyama, Shin-ichiro: "Generation of atmospheric gravity waves associated with auroral activity in the polar F-region"Journal of Geophysical Research. 106. 18,543-18,554 (2001)
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[Publications] Nozawa, Satonori: "Comparison of the auroral E region neutral winds derived with the European Incoherent Scatter radar and predicted by the National Center for Atmospheric Research Thermosphere-Ionosphere-Mesosphere-Electrodynamics general circulation model"Journal of Geophysical Research. 106. 24,691-24,700 (2001)
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[Publications] Fujii, Ryoichi: "Field-aligned ion motions in the E and F regions"Journal of Geophysical Research. (in press). (2002)
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[Publications] Sugino, Masahiko: "Relative importance of the electric field and the ionospheric conductivity to the polar ionospheric currents"Journal of Geophysical Research. (in press). (2002)