2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640459
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堤 昭人 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90324607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 信正 産業技術総合研究所, 主任研究官
嶋本 利彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20112170)
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Keywords | 岩石破壊 / 摩擦電磁気 / 三軸試験機 / 圧力容器 |
Research Abstract |
本研究では,岩石破壊時の新生面形成・摩擦・発熱などの外的刺激に起因する,試料表面からの荷電粒子放射の機構(フラクトエミッション,トライボエミッション,エキソ電子放出)が,破壊誘起電磁気現象に及ぼす影響を評価することを目的とする.当該年度においては,(1)3軸圧縮試験システムの導入,および(2)岩石の摩擦時における電荷変動計測実験を行った. 簡易型3軸圧縮変形試験システム 封圧200MPa(2kbar)程度までの条件での岩石の破壊試験,および対向アンテナによる電界計測,試料表面の発生電荷計測が圧力容器内部で行えるような小型の試験システムを導入した.電磁気的計測を行うことを主たる目的とするため,圧力や荷重の載荷システムには,手動ポンプを利用して極力外部ノイズを避ける仕様を採用した.一般に,圧力容器を用いた岩石の試験システムは,大がかりで高価な油圧載荷システムを用いて行われる.本システムにおいては圧力容器の構造を検討し,内部にヨークシステムを採り入れることで載荷ライン等を最大限に簡素化した. 導電性ダイアモンド圧子を電極として用いた摩擦実験における摩擦電磁気現象の計測 花崗岩,斑レイ岩,石灰岩などの板状整形試料において,ピンオンディスク型の摩擦試験を行い,垂直加重を変化させた時の力学的性質の変化と,それに伴うAE信号,電荷発生強度等の信号変化の関係を調べた.電荷の検出においては,導電性ダイアモンド圧子部分を電極として用いた.結果,試料中の石英の有無に関わらず,全ての試料において顕著な電荷発生が認められた.電荷発生のタイミングは,スティック・スリップに伴う垂直載荷重降下およびそれに伴うAE信号の発生と密接に関連している.又,電荷信号強度は,AE信号強度(イベント積算数)の増加に伴って線形に増加する関係が認められた.
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