2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640536
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Research Institution | Faculty of Integrated Arts and Sciences, University of Tokushima |
Principal Investigator |
三好 徳和 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (40219829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 眞 徳島大学, 総合科学部, 教授 (10016173)
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Keywords | グリーン化学 / 環境調和型反応 / 三塩化ビスマス / 過酸化水素水 / 酸化的エステル化反応 / 塩素化反応 |
Research Abstract |
有機合成化学は重要な学問分野であり、また重要な科学技術の一つとして果たしてきた役割には多大なものがある。すなわち有用な化学物質が数多く作られ、人類の生活に多いに役立ってきた。しかし、最近環境問題の観点から、環境調和適応型有機合成反応の開発が強く求められている。すなわち、有機溶媒を使わない反応、有害な試薬を使わない反応、有害な共生成物を伴わない反応、水中で進行する反応などの開発が重要な課題となっている。 さて、酸化反応は有機合成において、最も基本的かつ重要な反応の一つであるが、工業的には硝酸や重金属の酸化物などを用いる例が多く、必ずしも環境調和適応型反応とは言い難い。そこでわれわれは比較的毒性の低いビスマス化合物と酸素もしくは共生成物として水しか生成しない過酸化水素を用いる酸化反応の開発を行った。 その結果、種々のアルデヒドをアルコール中、三塩化ビスマス存在下、過酸化水素と反応させることにより、酸化的エステル化反応が円滑に進行し、高収率で対応するエステルが得られることを見出した。 また、α-ヒドロキシシクロヘキサノンを同様な条件下反応させることにより、アジピン酸ジエステルが高収率で得られることを見出した。またアルコールを溶媒とせず、過酸化水素のみで反応させたところ、高収率でアジピン酸が得られた。 さらに、ケトンに対し、三塩化ビスマスと過酸化水素を反応させると、ケトンのα位のクロル化が円滑に進行することも見いだした。 これらは、比較的毒性の低いビスマス化合物と共生成物として水しか生成しない過酸化水素を用いることから、環境調和型酸化反応といえる.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Fukuma: "Water Accelerated Allylation of Aldehydes by Using Water Tolerant Grignard-Type Allylating Agents from Allylmagnesium Chloride and Various Metallic Salts"Chemistry Letters. 2002. 376-377 (2002)
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[Publications] R Hiroi: "Organic Solvent-Free, One-Pot Reduction of Imines Generated in situ from Aldehydes and Aniline by Tributyltin Hydride on Silica Gel"Chemistry Letters. 2002. 274-275 (2002)
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[Publications] M.Wada: "Bismuth Trichloride Catalyzed Efficient Reductive Etherification of Carbonyl Compounds with Alcohols : A Novel Method for Preparation of Symmetrical and Unsymmetrical Ethers"Chemistry Letters. 2002. 248-249 (2002)