2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640540
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三島 正章 九州大学, 有機化学基礎研究センター, 助教授 (20037279)
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Keywords | 銅イオン塩基性度 / リチウムイオン塩基性度 / プロトン塩基性度 / ピリジン / アセトフェノン / 結合エネルギー / 気相イオン分子反応 / FT-ICR |
Research Abstract |
遷移金属イオンと有機分子間の結合相互作用本質の理解を目的として、気相における銅イオンと有機分子間の結合エネルギーに及ぼす構造効果を解析した。本研究では結合部位の構造が一定に保持され・有機分子の金属イオンに対する配位能の変動が電子的効果だけに依存する系としてアセトフェノン及びピリジンの銅イオンに対する気相塩基性度GB(Cu^+)に及ぼす置換基効果を解析し・対応するプロトン塩基性度GB(H^+)及びリチウムカチオン塩基性度GB(Li^+)との比較から銅イオン-有機分子間の相互作用の特性を検討した。 アセトフェノンのGB(Cu^+)に及ぼす置換基効果の解析は、GB(H^+)に比較して共鳴効果の寄与が23%低下しているに対して、GB(Li^+)の置換基効果では37%の低下を示した。また、GB(Cu^+)の1分子当たりの置換基効果の大きさはGB(H^+)に対して0.62に低下したが、対応するGB(Li^+)に比較すると1.20倍大きい。同じ結果はピリジンの置換基効果においても観測され、銅イオンとの会合によるアセトフェノンのカルボニル炭素あるいはピリジンの窒素原子上の陽電荷の生成がリチウムカチオン会合体より大きいことを示した。また、分子内2配位による環構造の会合体イオンを与えるα,ω-ジメトキシアルカンのGB(Cu^+)の構造依存性はGB(Li^+)より大きいことが見いだされた。これらの結果から銅-酸素及び銅-窒素結合エネルギーには静電的相互作用が支配的であるが、共有結合相互作用も重要な寄与をしていることが結論された。また、DFT理論計算から得た会合体イオンの最適化構造におけるO-Cu(N-Cu)の結合距離に及ぼす置換基効果はO-H(N-H),O-Li(N-Li)の中間的挙動を示し、実験結果から導かれた銅イオンと有機分子間の結合エネルギーと構造的特性の関連性が明確になった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Yamataka et al.: "Reaction of Magnesium Pinacolone Enolate with Benzaldehyde, Polar or ET Mechanism"Bull. Chem. Soc. Jpn. 75. 127-129 (2002)
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[Publications] M.Mishima et al.: "Gas-Phase Acidities of Cycloheptatrienes. Effects of Alkyl Groups on the Stability of Carbanions"European J. Mass Spectrometry. 8. 259-366 (2002)
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[Publications] S.Kiyooka et al.: "Diphenylboron perchlorate as an efficient catalyst for self-and cross-condensation reactions of aldehydes having α-active hydrogens"Tetrahedron Lett.. 44. 927-930 (2003)
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[Publications] M.Kotani et al.: "Study of the Time-resolved IR Spectrum of 1-Arylvinyl Cations Generated by Laser Flash"Chem. Lett.. (in press). (2003)