2003 Fiscal Year Annual Research Report
側鎖に官能基を持つアミノ酸の安定同位体標識法の開発と配座解析
Project/Area Number |
13640544
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
大場 真 東海大学, 開発工学部, 助教授 (10246077)
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Keywords | 重水素標識 / リジン / ピログルタミン酸 / グルタミン酸 / オルトエステル |
Research Abstract |
本研究ではアミノ酸側鎖を位置選択的に重水素標識すると同時に、必要な位置に^<13>Cや^<15>Nを導入した多重標織アミノ酸の合成を行い蛋白質構造解析のプローブを提供すると共に、蛋白質の立体構造や機能発現のモチーフとなっているオリゴマーの配座特性を明らかにすることを目的としている。本年度は側鎖に官能基を持つ長鎖アミノ酸の一つであるL-[5,5,6,6-D_4]リジンの合成および新規なL-ピログルタミン酸テンプレートを用いるL-[3,4-D_2]グルタミン酸の合成について検討した。 L-[5,5,6,6-D_4]リジンの合成 L-グルタミン酸の末端カルボキシル基を還元的に重水素化することによって得られた重水素標識アルコールをヨウ化物に変換した後、シアノ基を導入し、接触重水素化によりL-[5,5,6,6-D_4]リジンを合成した。 新規L-ピログルタミン酸テンプレートの開発 一般にピログルタミン酸から誘導される光学活性なテンプレートはα位のラセミ化を防ぐためにカルポキシル基を還元して用いられており、適当な置換基を導入した後、必要に応じてカルボキシル基を再生する必要が生じる。本研究では、カルボキシル基をオルトエステル(ABOエステル)で保護した不飽和ピログルタミン酸エステルの合成検討を行い、α位のラセミ化を伴うことなくMichael付加、Diels-Alder反応、ジヒドロキシル化、水素添加などオレフィンの変換反応を行うことができることを明らかにした。水素化の際、重水素ガスを用いることによって得られる重水素標識ピログルタミン酸エステルを加水分解したところ(2S,3S,4R)-[3,4-D_2]グルタミン酸を高立体選択的に与えることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Oba, N.Nishiyama, K.Nishiyama: "Synthesis and reactions of a novel 3,4-didehydropyroglutamate derivative"Chem.Commun.. 776-777 (2003)
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[Publications] M.Oba, M.Suyama, A.Shimamura, N.Nishiyama: "Radical-based transformation of vicinal diols to olefins via thioxocarbamate derivatives : a simple approach to 2',3'-didehydro-2',3'-dideoxynucleosides"Tetrahedron Lett.. 44. 4027-4029 (2003)
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[Publications] M.Oba, H.Hitokawa, K.Sodo, K.Nishiyama: "A simple route to [5,5,6,6-D_4]lysine starting from L-pyroglutamic acid"Jpn.J.Deuterium Sci.. 12(in press). (2004)
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[Publications] M.Oba, S.Koguchi, K.Nishiyama, D.Kaneno, S.Tomoda: "Origin of Diastereoselection in Hydrosilylation of Chiral Iminium Intermediates Derived from Pyroglutamic Acid"Angew.Chem.Int.Ed.. 43(in press). (2004)