2001 Fiscal Year Annual Research Report
脂質性シグナル分子の働きを解明するための機能性低分子プローブの開発
Project/Area Number |
13640545
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
古田 寿昭 東邦大学, 理学部, 助教授 (90231571)
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Keywords | ケージド化合物 / ジアシルグリセロール / アラキドン酸 / 酵素反応の光制御 |
Research Abstract |
長鎖不飽和脂肪酸類およびセラミドのケージド化合物の合成:アラキドン酸に代表される不飽和脂肪酸類とジアシルグリセロールは,PKCの選択的なアゴニストであることが知られているので,これらのケージド化合物を合成し,これらと2光子励起を組み合わせることで,生理的条件を模した局所的なPKCの活性化を達成し,そのシグナル伝達機構解明における有力なツールを開発することを目指して研究を行った.今年度の主な成果は次の通りである. 1)我々のグループで開発した新しい光分解性保護基,6-ブロモ-7-ヒドロキシクマリン-4-イル-メチル(Bhc)基をアルコール性およびフェノール性の水酸基に導入する方法を開発した.この方法で,アデノシン,ガラクトースおよびチロシンのケージド化合物を合成することが出来た. 2)1)の結果を基にして,脂質性のシグナル分子であるジアシルグリセロールのケージド化合物の合成にも成功した. 3)長鎖不飽和脂肪酸のケージド化合物のケージド化合物の合成に成功し,さらにその光化学特性を明らかにした.その結果アラキドン酸やリノレイン酸のように,不飽和度の高いものは光反応性が高いのに対し,飽和のステアリン酸では光反応性が非常に低いことが分かった. 4)3)で合成したケージドアラキドン酸の酵素に対する反応性を検討した.その結果,合成したBhc-アラキドン酸は,光照射をしなくてもPKCを活性化してしまうことが分かった.一方,COX-2に対する反応性を検討したところ,光照射前は基質にならず,光を照射してはじめてプロスタグランジン合成が始まることを確認できた.すなわち,COX-2の反応性を光で制御できたことになる.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Ando, T.Furuta, R.Y.Tsien, H.Okamoto: "Photo-mediate gene activation using caged RNA/DNA in zebrafish embryos"Nature Genetics. 28. 317-325 (2001)
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[Publications] T.Furuta, Y.Hirayama, M.Iwamura: "Anthraquinon-2-ylmethoxycarbonyl (Aqmoc): A new photochemically removable protecting group for alcohols"Organic Letters. 3. 1809-1812 (2001)
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[Publications] H.Mizuta, S.Watanabe, Y.Sakurai, K.Nishiyama, T.Furuta, Y.Kobayashi, M.Iwamura: "Design,synthesis,photochemical properties and cytotoxic activities of water-soluble caged L-leucyl-L-leucine methyl esters that control apoptosis of immune cells"Bioorganic and Medicinal Chemistry. 10. 675-683 (2002)