2003 Fiscal Year Annual Research Report
気相反応による超アクチノイド元素の化学的性質の研究
Project/Area Number |
13640556
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
工藤 久昭 新潟大学, 理学部, 助教授 (30170004)
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Keywords | 超アクチノイド元素 / ラザホージウム / 気相反応 / 等温クロマトグラフ |
Research Abstract |
Zr, HfおよびRfの同位体を、同時に合成し、塩素化剤として四塩化炭素を用いて、同時に化学分離をした結果、等温ガスクロマトグラフ分離されたRfのα線スペクトルを観測することができ、揮発性Rf塩化物が生成されたことを確認した。さらに等温カラム温度に対する相対収率の変化を調べたところ、これまでの報告と異なり、Zr, HfおよびRfはすべて同様な挙動を示すことを見出した。ZrとHfはマクロ量ではその性質が非常によく似ており、今回の結果がそれに矛盾しないことから、Rf塩化物がZrやHf塩化物とよく似た性質をもつことを確かめることができた。この結果は、Zr, HfおよびRf塩化物について直接比較を行うことにより、本研究で初めて得られたもので、相対論計算からの予想と矛盾しないものであることがわかった。等温クロマトグラムを解析した結果、これらの塩化物の吸着エンタルピーは石英表面に対する値に比べて幾分大きな値となったが、塩素化剤として四塩化炭素を用いた場合には、熱分解による副生成物が生成されるため、その影響が考えられた。この原因を、塩化剤を変更して確認することとした。塩素化剤として、塩酸を用いた場合、妨害となるような副生成物はまったく生成されなかったが、Zrの塩素化に要する反応時間が長いことがわかった。これは15ppm程度の酸素が存在しても、酸素との反応は非常に速やかに進行するため、その脱酸素に時間がかかるものと考えられた。塩素化剤として四塩化炭素を用いた場合には、四塩化炭素による脱酸素が効果的に行われていたものと考えられる。従って、核反応生成物をgas-jet輸送する際、炭素エアロゾルを用いるなどして、脱酸素をする必要があると考えられる。一方、5族元素であるNbは、塩酸を用いた場合でも速やかに反応が進むことから、同族であるDb(Z=105)の研究には利用可能であることがわかった。また、MoやTcも塩酸により揮発性化合物を生成することから、これらの元素では酸化塩化物の形成が考えられ、同族元素であるSg(Z=106)及びBh(Z=107)への利用を計画しているところである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Goto: "Systematic Studies of Asymmetric Mass Distributions in Proton-induced fission of Actindes"J.Nucl.Radiochem.Sci.. 2. 63-65 (2002)
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[Publications] H.Haba: "Anion-exchange Behavior of Rf in HC1 and HNO3 Solutions"J.Nucl.Radiochem.Sci.. 2. 143-146 (2002)
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[Publications] T.Maruyama: "Rapid Chemical Separation for Bk"J.Nucl.Radiochem.Sci.. 2. 155-158 (2002)
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[Publications] Y.Nagame: "Transactinide nuclear chemistry at JAERI"Czech.J.Phys.. 53. A299-A304 (2003)