2001 Fiscal Year Annual Research Report
発光性ジイミン白金錯体における環境感応メカニズムの解明と機能開発
Project/Area Number |
13640559
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
加藤 昌子 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教授 (80214401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 重信 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (60011186)
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Keywords | ジイミン白金錯体 / ベイポクロミズム / 結晶構造 / 発光性金属錯体 / ビピリジン / 発光スペクトル / X線構造解析 / 白金複核錯体 |
Research Abstract |
発光性ジイミン白金(II)錯体に注目して、温度や溶媒,溶質,ベイパー(気体分子)等の環境に対応して変化し,発光状態の変革を引き起こすような系を探索し、そのメカニズムを構造化学的に探求した。 1.ジシアノビピリジン白金(II)錯体のベイポクロミズム機構の解明. 表記錯体の赤色結晶は,白金直鎖構造を持ち,室温でも強い赤色の発光を示す。この発光は、白金間相互作用に鋭敏に依存して変化するが、今回、赤色結晶が空気中の水分子に鋭敏に感応して起こる赤色【double arrow】黄色の変化に伴って起こる発光のベイポクロミズムを観測し、X線構造解析と発光測定からそのメカニズムを解明した。水分子が1分子取り込まれた黄色結晶では,赤色結晶の白金直鎖構造に比べて,よりジクザグした構造であり,水分子とCN^-配位子の水素結合がスタッキング構造を歪ませ,発色及び発光変化を引き起こすことが明らかとなった。 2.有機ベイパーに感応して発光変化を示すピリジンチオラト架橋ビピリジン白金(II)複核錯体. 特定の有機ペイパーに鋭敏に感応して発光変化を示す,syn-[Pt_2(pyt)_2(bpy)_2](PF_6)_2(pyt=ピリジン-2-チオレートイオン,bpy=2,2'-ビピリジン)の合成と単離に成功した。すなわち,この錯体結晶は,アセトニトリルやアルコールの蒸気によって赤色【double arrow】暗赤色の変化をし,それに伴って,発光の可逆的なON-OFFが観測される。発光挙動を明らかにするとともに,結晶構造から劇的な発光変化を引き起こす要因を探求した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shinobu Kishi, Masako Kato: "Vapochromism and crystal structures of Iuminescent dicyano(2,2'-bipyridine)platinum(II)"Molecular Crystals and Liquid Crystals. (in press).
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[Publications] Masako Kato et al.: "Bis(8-quinolinolato)platinum(II) and its synthetic intermediate, 8-hydroxyquinolinium dichloro(8-quinolinolato)platinate(II)tetrahydrate"Acta Crystallographica. C58. m147-m149 (2002)