2001 Fiscal Year Annual Research Report
低原子価白金族金属錯体を用いる光化学反応の触媒反応への展開
Project/Area Number |
13640564
|
Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
坪村 太郎 成蹊大学, 工学部, 教授 (70188621)
|
Keywords | パラジウム錯体 / 白金錯体 / 光化学反応 / アルコール / ハロゲン原子移動 |
Research Abstract |
錯体の合成と同定.[M(triphos)(PPh_3)]と[M(binap)_2](M=Pt,Pd)の錯体は既報の方法で合成した(triphos=1,1,1-トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタン,binap=2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル).また,ピンサー配位子を有するパラジウム2核大環状錯体も合成した. 錯体とアルコールや有機塩化物との光化学反応.エタノールとジクロロメタンを代表化合物として選び,これらと金属錯体の光化学反応を検討した.光源には現有の水銀灯を,有機生成物の同定には新規購入したガスクロマトグラフを用いた.計画とおり今回購入したGC-1700型は,キャピラリカラム回りの流量設定が全てデジタル化されているため,安定した測定ができ,昇温・降温が速いことから研究の遂行にとって大変便利であることがわかった.エタノールを反応させた場合アセトアルデヒドが生成し,ジクロロメタンを反応させた場合はハロゲン原子が錯体に移動してジクロロ錯体が生成することが確かめられた. 光化学反応の解析.本研究で用いる錯体は光励起によって蛍光を発するため,その蛍光をモニターすることで励起状態の種々の情報を得ることが可能である.錯体の蛍光の量子効率の測定,反応基質を消光剤とする錯体の蛍光の消光の観測,反応基質存在下での蛍光減衰曲線の変化の解析によって錯体の励起状態からの各種の反応速度定数,即ち放射速度,非輻射速度等の定数を求めた.これらから光化学反応の初期過程について考察した. 光触媒反応の検討また,光触媒反応の可能性を調べるため,上記の0価錯体を添加した系で,鈴木カップリング反応が光照射かで進行するかについてもテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム錯体を含めて検討した.
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] T. Tsubomura, T. Tanihata, T. Yamakawa, R. Ohmi, 他4名: "Synthesis and Structure of New Binuclear Organopalladium Macrocyclic Complexes"Organometallics. 20. 3833-3835 (2001)