2001 Fiscal Year Annual Research Report
超高感度紫外光電子分光による絶縁性有機材料およびその界面の電子構造の研究
Project/Area Number |
13640576
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石井 久夫 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60232237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内 幸雄 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60194081)
関 一彦 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 教授 (80124220)
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Keywords | 有機材料 / 光電子分光 / 試料帯電 / イオン化エネルギー / 光電子収量分光 / 有機 / 金属界面 / セクシフェニル / 金 |
Research Abstract |
平成13年度は、高感度の微少電流測定器を購入し、名古屋大学に既設の紫外光電子分光(UPS)装置に組み込んだ。微少電流測定器を用いて、光電流を高速に繰り返し測定し、デジタル信号を処理して光電子スペクトルを得るためのプログラムの開発を行い、通常感度の条件下では光電子スペクトルが測定できるようになりつつある。現在は、検出感度を向上させるために必要なノイズの除去を進めている。 検出感度の向上は、本研究で目指しているレベルにはまだ到達していないが、現状のレベルでセクシフェニル-金界面の測定を行った。この界面は、金をセクシフェニル膜上に蒸着した場合に、光電子分光測定時に異常なスペクトルのシフトが観測されることが報告されている。高感度のUPS測定を行うことにより、異常なスペクトルシフトは、光電子放出時に生じるホールがセクシフェニル膜内に存在する金の微粒子にトラップされることによる表面帯電現象に由来すると考えられることを示した。この結果は、2002年3月の応用物理学会で報告する予定である。 また、当初平成14年度に計画していた光電子収量分光(PYS)測定装置の開発を、一部前倒しして行った。試作機を動作させ、幾つかの試料のイオン化エネルギーを予備的に得た。現在、その検出感度の向上を進めている。
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