2001 Fiscal Year Annual Research Report
多重論理的認識能を有する含窒素ヘテロ環蛍光性ホストの開発
Project/Area Number |
13640583
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
岩田 理 成蹊大学, 工学部, 助手 (10223398)
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Keywords | 論理的認識 / 蛍光性化合物 / ホスト-ゲスト化学 / 分子認識 / ピリドイミダゾピラジン |
Research Abstract |
先に開発したクラウンエーテル側鎖を有するピリドイミダゾピラジン骨格の優れた蛍光特性に着目して、ピリドイミダゾピラジン骨格に遷移金属を認識すると予想される1,10-ジアザフェナントロリン骨格を導入した新規な含窒素縮合芳香族分子を設計した。PCを使用した分子軌道計算を行い分子の平面性や電荷分布の視点からいくつかのターゲット分子を決定した。 合成は、1,10-ジアザフェントロリンを出発原料に5,6-ジアミノ-1,10-ジアザフェナントロリンを経由して中間体であるジオキソピラジノフェナントロリンを得た。ジオキソ体を前駆体であるジクロロピラジノフェナントロリンに変換する反応は基質の溶媒への溶解性が乏しく低収率であった。次にアミノピリジンと縮合させて目的のピリドイミダゾピラジノフェナントロリン骨格を得た。 ピリドイミダゾピラジノフェナントロリン骨格は強い蛍光を持つ化合物である。このアセトニトリル溶液に、亜鉛やアルカリ金属・アルカリ土類金属塩を添加したところ、亜鉛を添加したときに蛍光波長の変化が認められた。現時点では定性的な結果ではあるが、遷移金属と親和性のあるジアザフェントロリン部位による効果であると考えられる。 次年度は、合成収率の向上の検討を進め、得られたホスト分子の金属認識能の検討を行う。
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