2001 Fiscal Year Annual Research Report
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13640584
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
森山 広思 東邦大学, 理学部, 教授 (10126188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
持田 智行 東邦大学, 理学部, 講師 (30280580)
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Keywords | フラーレンC_<60> / 色素 / アニオンラジカル / 有機半導体 / 電解結晶成長法 / 単結晶構造解析 / 電気伝導度 / サイクリックボルタノメトリー |
Research Abstract |
超伝導特性や強磁性的挙動に代表される特異なフラーレン物性に関して、その担い手と考えられるフラーレンアニオンラジカルを分子性結晶として捕捉するため、液相電解結晶成長法を手法として用いて、嵩高い安定化カチオンによって極めて不安定なフラーレンアニオンラジカル種を単離し、その物性に関して、とくに電気伝導特性について検討することが本研究課題の目的である。初年度である平成13年度は色素カチオンに焦点を絞り、トリフェニルメタン系色素カチオンのいくつかについて、結晶成長を様々な条件で繰り返し試みた。その結果、Brilliant Green分子をカチオンとしたときに、比較的高品位な単結晶を得ることができ、単結晶構造解析から結晶構造を明らかにすることができた。また、ESR測定の結果、C_<60>アニオンラジカル塩に特徴的なブロードなシグナルが時間変化し、酸素架橋C_<60>二量体に由来すると考えられるシャープなシグナルが出現することがわかった。サイクリックボルタノメトリーを用いた電気化学測定の結果、Brilliant Green分子のN置換エチル基をメチル基に置換したMalachite Green分子ではアニオンラジカル塩は得られなかったことから、酸化還元電位とC_<60>アニオンラジカル塩結晶生成との間には密接な関連があるものと結論づけられた。これらのC_<60>アニオンラジカル塩は直流4端子法による予備的な電気伝導度測定の結果、半導体的な挙動を示すことがわかった。さらにフラーレンとジチオラト金属錯体や配位高分子錯体との相互作用による結晶成長に関しても検討をすすめた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Moriyama, S.Nagayama, T.Mochida, H.Kobayashi: "Nickel Complexes with Extended Tetrathiafulvalene Dithiolato Ligands"Synthetic Metals. 120. 973-974 (2001)
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[Publications] R.Horikoshi, T.Mochida, H.Moriyama: "Coordination Polymers from M(hfac)_2(M=Cu^<II>,Mn^<II>)and 4,4'-Dipyridyldisulfide"Inorganic Chemistry. 40. 2430-2433 (2001)
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[Publications] R.Horikoshi, T.Mochida, N.Maki, S.Yamada, H.Moriyama: "Coordination Polymer Complexes of 4,4'-Dipyridyldisulfide amd AgX(X=PF_6^-,ClO_4^-,OTNO_3^-,BF_4^-)with Twisted Rhomboid Networks,2-D Sheets,and 1-D Chain Structures"Journal of Chemical Society,Dalton Transactions. 28-33 (2002)