2003 Fiscal Year Annual Research Report
ガドリニウム系磁気共鳴イメージング用造影剤の機能化に関する研究
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13640586
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
笛吹 修治 広島国際大学, 保健医療学部, 教授 (20160252)
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Keywords | 磁気共鳴イメージング / 造影剤 / ガドリニウム錯体 / シッフ塩基 / サリチルアルデヒド誘導体 / 緩和時間 / ファントム |
Research Abstract |
現在、臨床現場において広く用いられている磁気共鳴イメージング(MRI)用ガドリニウム系造影剤に、組織や細胞(例えば腫瘍細胞)特異性の機能を付加することを目的として、新規ガドリニウム系造影剤の開発を行ってきた。ガドリニウム錯体の骨格としては、合成及び各種官能基化が比較的容易なベンズアルデヒド誘導体とジエチレントリアミンとの縮合によるシッフ塩基を用いた。まず二分子のサリチルアルデヒド誘導体又はベンズアルデヒド誘導体とトリアミンとの縮合で得られるシッフ塩基にそれぞれ3価の陰イオンとなるように1個又は3個の酢酸基の導入を行った。また、サリチルアルデヒド誘導体とトリス(2-アミノエチル)アミンとの縮合によるシッフ塩基の合成も行った。 一方、細胞膜表面の糖鎖との結合サイトとしてホウ酸基をもつ配位子の合成も行った。出発原料としてP-ホルミルフェニルボロン酸を用い、ジエチレントリアミンとの縮合によりシッフ塩基とし、次いでNaBH_4還元、酢酸基の導入を行い目的の配位子を得た。また、対象化合物として,P-メトキシ体の合成も同様に行った。 これらの配位子と塩化ガドリニウム(III)との反応によって得られる錯体の緩和能について検討するため、多糖類(カラギーナン、アガロース)やゼラチンを用いたMRI用ゲル状ファントムを作成し、それらの緩和時間測定を行った。測定には0.3T永久磁石型MRI装置を用い、T1緩和時間は反転回復(IR)法、T2緩和時間はスピンエコー法(マルチエコー法)により評価した。現在、これらの緩和時間についてのデータ解析を行っているところである。
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