2002 Fiscal Year Annual Research Report
シリコンナノテクノロジーとの融合を目指した機能集積型巨大パイ共役分子の開発
Project/Area Number |
13640587
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
田中 彰治 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (20192635)
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Keywords | 分子スケールエレクトロニクス / 単電子トランジスタ / 分子素子 / 分子スイッチ / 分子組織化 / オリゴチオフェン |
Research Abstract |
今年度は、電子素子開発/評価者らとの議論を踏まえ、特に「単一分子レベルの単電子トランジスタ(SET)の構築」に焦点を合わせ、以下の項目について研究を展開した。 1:SET素子骨格構築法の開拓: SETの要である多端子型スイッチングユニットを構築するため、開発済みの分子ジャンクションモジュールに各種鎖状オリゴマーを接続する方法論について検討した。その結果、主鎖と垂直方向に各種のパイ共役鎖を延長した拡張T字型ジャンクションモジュール(3端子系)、さらにそれを相互接続した拡張I字型ジャンクションモジュール(4-5端子系)の構築に成功した。現在、これらを平面ナノギャップ電極上で機能評価するための共同研究を早大ナノテクセンターと進行中である。 2:基板表面における分子構造-物性相関の系統的解明(物材研究機構・横山Gとの共同研究): 従来、新規分子の設計/開発は、"計測容易"な溶液系や単結晶系についての構造-物性相関データに基づき行われてきたが、基板表面上に設置した分子のそれについては系統的知見が無い。そこで、各種機能部位を有するチオフェン6-12量体について、電子スペクトル法、電気化学法、STM/STS法を併用し、各種環境下における電子物性の比較検討を進め、基板上で特異的な構造-物性相関について知見を得た。 3:シリコン基板上への直接分子設置法の開拓(分子研・夛田Gとの共同研究): 昨年度、シリコン基板と有機分子をSi-C結合を介して直接接合可能な新規アンカーとしてシリル置換アリルアミンを開発した。今年度は、本アンカーをベースとして各種色素を基板上に固定化し、その表面光/電子移動過程について知見を得た。さらに、本アンカーと効率良く接合可能なカルボン酸基等を導入した大型分子を開発を現在進めている。
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Research Products
(1 results)