2002 Fiscal Year Annual Research Report
高速液体クロマトグラフィーにおける流れへの重力相関と分離効果
Project/Area Number |
13640599
|
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
森 義仁 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (10239626)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 文明 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (20011702)
|
Keywords | HPLC / TLC / 微小重力実験 / クロマトグラフィー / 国際宇宙ステーション / 分離分析 / 非線形 / 非平衡過程 |
Research Abstract |
国際宇宙ステーションが本格化する中で、ミッションの対象となる実験の選定が各国で、落下塔実験や航空機実験により行われている。我々はこれまで宇宙空間における分離操作の検討を提案している。HPLCによる分離効果は実際には複雑な要因が働き、経験的に実験条件などを選定する必要がある。しかし、理想からのずれに着目すれば、HPLCを開放的流れの中で、吸着脱離反応・拡散が同時進行する非平衡現象として扱うことができる。非平衡現象と重力の相関は、理論的には古くから知られた問題である。昨年度、HPLCと原理的には類似しているが、より簡単なTLC(薄層クロマトグラフィー)を用いて、北海道上砂川の地下無重力実験センター(JAMIC)のご好意により、落下実験を6回行った。その結果、微小重力では、展開速度が大きくなり、加重力下では、逆に小さくなることが分かった。今年度は、地上実験としてTLC展開中のパターンダイナミクスを観測し、動画像処理法により解析した。パターンは溶質と展開溶媒の組み合わせにより、3種類に分類される。円、展開後方に流れるもの、展開前方に流れるものである。これらの結果と、吸着実験を行い吸着曲線を求め、その吸着曲線の形と展開パターンの関係を調べてみると、吸着曲線が線形のものはパターンが円に、曲率が正のものは展開前方に流れるパターンとなり、曲率が負のものは展開後方に流れるパターンであることが判明した。昨年の落下実験では1種類の溶質について行ったが、将来的には複数種の溶質についての実験を予定しているので、今回、2種類のTLCにおけるパターンダイナミックスの解析も行った。特に、2種類の溶質が分離する直前直後の様子を記録・解析した。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 本田数博, 森義仁: "ろ紙を用いたリーゼガング環形成"化学と教育. 51(2). 130-131 (2003)
-
[Publications] 本田数博, 森義仁: "溶存酸素水溶液中の鉄酸化反応に対する強磁場印加効果"表面技術. 54(1). 73-75 (2003)
-
[Publications] K.Honda, Y.Mori: "The Oxidative Polymerization of Aniline Hydrochoride by Peroxiodisulfate Ion in Strong Magnetic Field"Proceegings of International Symposium on Innovative Material Processing by Controlling Chemical Reaction Field. 156-159 (2002)
-
[Publications] 本田数博, 森義仁: "アイピーシ"磁気科学(北沢広一監修). 299-304 (2002)