2003 Fiscal Year Annual Research Report
イオン対抽出の機構の解明と新規多元素同時定量法の開発
Project/Area Number |
13640600
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
澤田 清 新潟大学, 理学部, 教授 (40089850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 敬一 新潟大学, 理学部, 助教授 (60225935)
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Keywords | 溶媒抽出 / ポリエーテル / イオン対 / NMR / フタロシアニン / 生分解性キレート剤 / 第4級アンモニウム / EDTA |
Research Abstract |
1 鎖状ポリエーテル-金属イオン錯の溶液内平衡と構造 2価遷移金属および希土類金属イオン-βジケトン錯体の、単分散ポリエーテル誘導体との3元錯体の抽出平衡を調べた、また、溶液内構造をNMR法により.調べた。オキシエチレン(EO)基が4から8までの環状(クラウン)および鎖状のポリエーテルについて調べた。形状、EO基の数等が平衡に大きく作用することが分かり、3元錯体の構造を推定した。 2 ポリエーテルを置換基として有するフタロシアニンの合成と反応 ドデシルヘキサエチレンオキサイドを置換基とした、ポリエーテル-フタロシアニン集積配位子を合成した。中心金属としては水素イオンおよび銅(II)を調製した。予想通り両親媒性を示し、広い領域にわたる溶媒について電子スペクトルがえられた。これより、スタッキングの情報をえた。NMR分光法により、アルカリ金属とポリエーテル部位で錯形成すること、またその構造について詳細な情報を得た。 3 EDTA錯体の抽出挙動と新規生分解性キレート剤の開発 第4級アンモニウムイオンによる非分解性のキレートのイオン対抽出平衡を調べた。アンモニウムイオンの対称性、分子量また、金属イオンの電荷、イオン半径などの特性と、分配定数、2量体化平衡へ及ぼす効果との相関より、抽出機構、溶液内構造を推定した。 環境に負荷をかける難分解性のEDTAに替わる、生分解性のキレート剤を合成した。生分解性でありながらEDTAに匹敵する錯形成能を有する配位子を得た。NMR分光法、位差測定法等により、錯体の構造、平衡、速度について詳細なデータを得た。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] K.Sawada: "Adsorption of inorganic phosphates and organic phosphonate on calcite"J.Chem.Soc.,Dalton Trans. 2002. 342-347 (2003)
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[Publications] N.Abdel-Aal: "Inhibition of Adhesion and Precipitation of CaCO_3 by Aminopolyphosphonate"J.Cryst.Growth. 256. 188-200 (2003)
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[Publications] 小林 仁美: "炭酸カルシウムへの2価重金属イオンの吸着挙動"分析化学. 53. 101-107 (2004)
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[Publications] K.Satoh: "Solvent extraction of ETA anion with tetraalkylammonium ion into various organic solvents"Anal.Sci.. (印刷中).
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[Publications] N.F.Abdel-Aal: "The Mechanism of precipitation and scaling of calcium carbonate"Biomineralization. (印刷中).
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[Publications] K.Sawada: "Polymerization and complex formation of phthalocyanine substituted by trioxyethylene in solution"J.Mol.Liqud. (印刷中).
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[Publications] K.Satoh: "Solvent effect of the solubility of pyridine base complexes of cobalt chloride"J.Solution.Chem. (印刷中).
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[Publications] 澤田 清: "化学便覧"日本化学会. 25 (2003)