2002 Fiscal Year Annual Research Report
電子移動ストップトフロー法による超短寿命溶液内活性種の分光検出と反応解析
Project/Area Number |
13640602
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小山 宗孝 京都大学, 国際融合創造センター, 助教授 (90221861)
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Keywords | ストップトフロー法 / 電子移動反応 / 有機カチオンラジカル / 芳香族アミン化合物 / 二量化反応 / 反応機構解析 / 中性分子効果 / 電解酸化反応 |
Research Abstract |
本年度は、昨年に引き続き、まず電子移動ストップトフロー法を用いて、芳香族アミンカチオンラジカルの反応機構の解析を行った。 N, N-ジメチルトルイジンカチオンラジカルの反応においては、カチオンラジカルを単独で生成した場合には減衰反応はほとんど進行しないのに対して、中性分子が共存するとカチオンラジカルの減衰は加速される。この反応に関して、塩基として中性分子だけではなくピリジン誘導体を反応溶液に共存させ減衰過程を観測することにより、酸塩基反応によって二量化反応が進行する機構をはじめて明らかにした。 また、N, N-ジメチルアニシジンカチオンラジカルに関しても同様に反応解析を行った結果、パラ位のメチル基がメトキシ基に代わることで、カチオンラジカルが二量化反応速度にして1/100程度安定化されることがわかった。 このような芳香族アミンカチオンラジカルの安定性や反応性に関しては、N-メチルアニシジンカチオンラジカルらアニシジンカチオンラジカル、さらには、そのメタおよびパラ異性体に関しても系統的に解析を行って反応性や反応機構の違いを明らかにした。 この他にも、電子移動ストップトフロー法を用いて、アントラセンおよびピレン誘導体カチオンラジカルと水およびメタノールとの求核反応解析を行い、反応性や反応機構の解析を行った。 また、従来の分光電気化学法で検出が困難であったカルバゾール誘導体の吸収スペクトル測定や、それに基づく反応解析も行った。これらの成果の一部は、現在投稿中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hyun Park: "Remarkable 3-Methyl Substituent Effect on the Cyclization Reaction of Diphenylamine Derivative Cation Radicals in Acetonitrile"Journal of the Chemical Society, Perkin Trans. 2. 1335-1339 (2002)
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[Publications] Masashi Goto: "Kinetics of the Decay Reactions of the N, N-Dimethyl-p-Toluidine Cation Radical in Acetonitrile. Acid-Base Interaction to Promote the CH_2-CH_2 Bonding"Journal of Physical Chemistiy A. 106. 8103-8108 (2002)
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[Publications] Munetaka Oyama: "Reaction of the triphenylamine cation radical with pyridine in acetonitnle. Electrochemical responses vs. decay reactions in homogeneous solution"Electrochemistry Communications. 4. 759-763 (2002)
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[Publications] Hyun Park: "Electrochemical and Electron Transfer Behaviors of ο-Chloranil with the Presence of Mg^<2+> in Acetonitrile"Electroanalysis. 14. 1269-1274 (2002)
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[Publications] Neil V. Rees: "The Electro-oxidation of N, N-Dimethyl-p-toluidine in Acetonitrile : a Microdisk Voltammetry Study"Journal of Electroanalytical Chemistiy. 531. 33-42 (2002)
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[Publications] Munetaka Oyama: "Spectroelectrochemical approach for analysing the reaction kinetic of N, N-dimethyl-p-anisidine cation radical with the neutral molecule in acetonitrile"Indian Journal of Chemistry A. (印刷中). (2003)