2002 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナ突然変異体を用いた花芽形成開始機構の研究
Project/Area Number |
13640613
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米田 好文 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10124215)
|
Keywords | シロイヌナマズ / 花芽 / 暗黒下 / ショ糖 / cop1-6 |
Research Abstract |
暗黒下でショ糖濃度を換えて培養した。2%ショ糖では、cop1-2,1-4変異体では発生異常をおこすが、各々8%,5%の高濃度ショ糖では花芽様の構造を持った植物体が分化することを見出した。以上より、cop1変異体では変異により依存度は異なるが至適な濃度のショ糖を与えれば、花芽分化誘導がおこることが示された。したがって、「暗黒下花芽分化誘導」とは、光に換えてショ糖による花芽分化の誘導と言えることを見出した。 cry2,co, gi, ld変異体との二重変異体を作成して、花芽分化誘導を調べた。暗黒下および光のある条件ともに、cry2では、花芽分化誘導は早いままであるが、他は遅延が起こることを見いだした。よって、cop1-6関与のステップはCRY2遺伝子作用より後であることを示す。 現在までの研究で、COP1産物は明条件では細胞質に存在し、暗条件で核に局在し機能すると考えられている。すなわち野生型遺伝子では、核に局在しいくつかの遺伝子発現・機能を抑制し「暗黒表現型」を示す。変異遺伝子は、その抑制機能が欠損していると考えられる。cop1-6変異の理由として、「暗黒下でも核に存在しない変異」ではないかと予測した。クラゲ緑蛍光タンパク質遺伝子との融合遺伝子を作成して局在を調べた。野生型遺伝子は、核に存在する。変異体の蛍光は位相差顕微鏡像の核のみではなく、全体的に分布することを示した。核の部分の拡大で粒状の蛍光が見られ、少し核にも存在することがわかる。よって、変異遺伝子の表現型は核への局在が弱まったためであると推定した。
|
-
[Publications] M.Suzuki, T.Takahashi, Y.Komeda: "Formation of corymb-like inflorescences due to delay in bolting and flower development in the corymbosa2"Plant and Cell Physiology. 43(3). 298-306 (2002)
-
[Publications] M.Suzuki, A.Kato, N.Nagata, Y.Komeda: "A xylanase, AtXyn1, is predominantly expressed in vascular bundles, and flour putative putatine xylanase genes"Plant and Cell Physiology. 43(7). 759-767 (2002)