2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640620
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
露崎 史朗 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (10222142)
|
Keywords | 菌根菌 / 火山 / 永久調査区 / 遷移 / 土壌栄養 / 微地形 |
Research Abstract |
火山遷移初期等にみられる、貧栄養かつ水分の乏しい環境下では、土壌中から栄養分を速やかに獲得する能力が、種の定着可能性を決め、ひいては植物群集構造を規定する。菌根菌が植物体に定着し、菌根が菌糸を発達させ効率よく土壌中のリンや土壌水分を獲得し、それらが植物に移動し植物成長に寄与するという仮説が提唱されている。しかしながら、セントヘレンズ山における研究は、植物が菌根菌を有するか否かは微地形に支配され、上記の仮説は支持されていない。その理由として、菌根菌供給源が発達するまで遷移状態が進行していことが考えられている。 これまで北海道有珠山および渡島駒ケ岳において永久調査区法を用い、継続調査を行っている。両火山は、近年噴火を行なったが、両者ともに噴火規模が小さく、完全に裸地化した地域から微量の火山灰堆積が認められる地域まで、幅広い環境勾配の中で調査が行える。この特色を利用し、微地形および長期的群集動態を考慮に入れ菌根菌-植物間相互作用を定量化することを目的として研究を行った。現在までに得られた結果は以下の通り。1)駒ケ岳の優占種の多くは内生菌根(AM)を有するが、スゲ属植物は貧栄養なところでは全くAMを有さない。2)イワブクロは微地形によって、AMを有する量が全くことなる。3)木本植物のほとんどが外生菌根を有するが、さらに、貧栄養土壌下では草本植物においてもかなりの量の外生菌根を有している。4)土壌栄養勾配沿った、また微地形に応じた、菌根菌の発達と、それに伴う種子植物の定着の対応関係が認められた。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Titus, J.H.: "Distribution of plants in relation to microsites on recent volcanic substrates on Mount Koma, Hokkaido, Japan"Ecological Research. (In press).
-
[Publications] Titus, J.H.: "Influence of a non-native invasive tree on primary succession at Mt. Koma, Hokkaido, Japan"Plant Ecology. (In press).
-
[Publications] Titus, J.H.: "Arbuscular mycorrhizal distribution in relation to microsites on recent volcanic substrates of Mt. Koma, Hokkaido, Japan"Mycorrhiza. 12. 271-275 (2002)
-
[Publications] Tsuyuzaki, S.: "Vegetation development patterns on skislopes in lowland Hokkaido, northern Japan"Biological Conservation. 108. 239-246 (2002)
-
[Publications] Tsuyuzaki, S.: "Persistence of seedbank under thick volcanic deposits twenty years after eruptions of Mount Usu, Hokkaido Island, Japan"American Journal of Botany. 88. 1813-1817 (2001)
-
[Publications] Haruki, M.: "Woody plant establishment in the early stages of volcanic succession on Mount Usu, northern Japan"Ecological Research. 16. 451-457 (2001)