2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640651
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高橋 裕一郎 岡山大学, 理学部, 教授 (50183447)
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Keywords | 光合成 / 光化学系 / 分子集合 / 葉緑体 / 形質転換 / タグ融合タンパク質 / アフィニティクロマトグラフィー / 緑藻クラミドモナス |
Research Abstract |
光合成の電子伝達系の光化学系1複合体の分子集合に必須なタンパク質Ycf4は、分子量の大きな複合体を形成している。Ycf4複合体を精製し、その構成タンパク質を明らかにすることにより、未解明な光化学系1複合体の分子集合の分子機構を解明する突破口が開かれることが期待される。本研究では、カラムクロマトグラフィーを用いた従来の生化学的手法と、Ycf4タンパク質にタグを融合しアフィニティクロマトグラフィーを利用した方法で、可溶化した緑藻クラミドモナスのチラコイド膜から微量かつ疎水的であるYcf4複合体を精製する方法を確立した。前者の方法では、ショ糖密度勾配超遠心、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィーを用いた。後者の力法では、葉緑体形質転換法を利用してYcf4タンパク質のC末端にTAP(tandem affinity purification)タグを融合させた。このタグはProteinAのIgG結合領域、Calumodulin結合領域、および両者をつなぐ部位にTEVプロテアーゼ切断部位を含み、IgGアガロースとCalumodulinレジンの2段階アフィニティカラムで精製できる。いずれの方法でもYcf4複合体を高度に精製することに成功し、得られた標品には少なくとも10程度のサブユニットが存在することが分かった。また、ゲルろ過クロマトグラフィーから求めたYcf4複合体の見かけのサイズは1800kDaと見積もられた。複合体にはYcf4以外に光化学系1のサブユニットPsaFの存在を確認したが、その他はYcf4複合体独自のサブユニットであると思われる。またYcf4を基準にすると30kDaサブユニットのコピー数はかなり多いことが特徴的で、複合体の主要なサブユニットであると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hatano-Iwasaki, A., Minagawa, J., Inoue, Y., Takahashi Y.: "Two functionally distinct manganese clusters formed by introducing a mutation in the carboxyl terminus of a photosystem II reaction center polypeptide, Dl, of the green alga Chlamydomonas reinhardtii"Biochimica et Biophysica Acta. 1504. 299-310 (2001)
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[Publications] Ohnishi, N., Takahashi, Y.: "PsbT polypeptide is required for efficient repair of photodamaged photosystem II reaction center"The Journal of Biological Chemistry. 276. 33798-33804 (2001)