2001 Fiscal Year Annual Research Report
日長感受性に関連する時計制御遺伝子GLPの機能と発現制御の解析
Project/Area Number |
13640654
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小野 道之 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (50201405)
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Keywords | 花芽誘導 / 花成誘導 / 概日リズム / 光周性 / 日長感受性 / アサガオ / シロイヌナズナ / germin-like protein |
Research Abstract |
日長感受性は生物の重要な性質であり、植物では花成などを制御する。申請者らが単離したGLP(germin-like protein)遺伝子は、日長感受性を反映した転写調節を受けることが判明した植物で最初の遺伝子であり、日長感受性の分子機構を調べる手がかりになるものと考えている。本研究では、GLPの機能を調べる目的で長日植物シロイヌナズナのAtGLP1,AtGLP2と短日植物アサガオのPnGLPの遺伝子を過剰発現(センス発現)、発現抑制(アンチセンス発現)、または発現制御(制御プロモーター)して花成時期等を観察すると共に、日長感受性を制御する調節配列の同定を目的としてGLP遺伝子の転写調節に関係するプロモーター配列を解析する。CaMV35Sのプロモーターを用いて各々のcDNAを過剰発現する形質転換植物を作成した実験では、いずれの植物でも顕著な形態変化は観察されなかったことから、現在、日長を制御した環境における詳細な開花時期の観察を進めている。シロイヌナズナではAtGLP1のcDNAを過剰発現した系統が得られないこと、これらの遺伝子産物のレベルが概日変動を示すことなどから、シロイヌナズナではグルチコルチコイドを用いた誘導型のプロモーターを用いた形質転換植物を作出して、現在、開花期等を調査している。さらに、アサガオでは形質転換法の開発に世界で初めて成功しており、現在、PnGLPのcDNAを過剰発現、発現抑制する植物の作出を進めている。一方、日長感受性のプロモーターの研究では、ルシフェラーゼをレポーター遺伝子としてAtGLP1,AtGLP2,PnGLPのプロモーターをシロイヌナズナに遺伝子導入してその制御配列の探索を進めている。
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Research Products
(1 results)