2001 Fiscal Year Annual Research Report
光化学系IIYDチロシンによる酸素発生系Mnクラスターの安定化
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13640659
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小野 高明 理化学研究所, 光生物研究チーム, チームリーダー(研究職) (10175268)
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Keywords | 光合成 / 光化学系 / 酸素電極 / 酸素発生 / クラミドモナス / 部位特異変異 / TDチロシン / D2蛋白質 |
Research Abstract |
光合成光化学系II反応中心蛋D2蛋白質に存在する酸化還元活性なチロシン残基(Y_Dチロシン)の機能を知る目的で、Y_Dチロシン残基をフェニルアラニンに置換した、部位特異変異株の緑藻Chlamydomonas reinharditiiを用いて研究を行った。平成13年度は閃光照射による微量な酸素発生を測定するために高感度なジョリオ型(微分型)酸素電極の作成を行った。この電極を用いることにより、培養細胞を遠心操作等で濃縮することなく、直接閃光照射による酸素発生パターンの測定が可能になった。この電極を用い生細胞を用い予備的な実験を行ったところ、以下の問題点が明らかとなった。1)生細胞の酸素発生の閃光照射パターンは細胞の状態に非常に敏感であり、連続光では同じ活性を示す細胞でもパターが異なる場合があった。2)第一閃光目で酸素発生に対応する信号が観測された。しかしながら、この信号は真の酸素発生に由来するものではなく、プラストキノン経由の葉緑体呼吸による定常的な酸素吸収が、閃光照射によるプラストキノンプールの酸化により一時的に阻害されることに起因するものであった。また、葉緑体呼吸の活性自体が細胞の状態により大きく変化した。閃光照射パターンの正確な測定は酸素発生S状態遷移の解析に不可欠であるので、変異株細胞より葉緑体を単離し、単離葉緑体で閃光照射パターンの解析を行うこととした。予備的な測定の結果、葉緑体では酸素発生の閃光照射パターンが安定して測定可能であることがわかり、この系を用い実験を行うこととした。以上の研究の他、変異体より高い酸素発生活性を保持したコア標品を調製し、ESR、FTIR等の物理化学測定に供与した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Teramoto, T.Ono, J.Minagawa: "Identification of Lheb gene family encoding the light-harvesting chlorophyll-a/b proteins of photosystem II in Chlamydomonas reinharditii"Plant Cell Physiology. 42. 849-856 (2001)
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[Publications] T.Ono, A.Rompel, H.Mino, N.Chiba: "Ca^<2+> function in photosynthetic oxygen evolution studied by alkali metal cations"Biophysical Journal. 81. 1831-1840 (2001)
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[Publications] K.Yukihiro, T.Ono: "Chelator-induced disappearance of carboxylate stretching vibrational modes in S_1/S_2 FTIR spectrum in oxygen-evolving complex of photosystem II"Biochemistry. 40. 14061-14068 (2001)