2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640692
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
上原 浩一 千葉大学, 園芸学部, 助手 (20221799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 元己 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (00193524)
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Keywords | INO / 外珠皮 / スイレン科 / YABBY Gene family / YABBY Domain / Zinc Finger Domain / 直生胚珠 / 倒生胚珠 |
Research Abstract |
裸子植物から大進化によって被子植物が出現したときに現れた被子植物独特の新しい形質は重複受精、心皮、2珠皮(外珠皮)の獲得である。被子植物の起源と初期進化を形態進化の面から解明しようとすると心皮と2珠皮性の出現を明らかにする必要がある。外珠皮に発現する遺伝子としてシロイヌナズナでINO(INNER NO OUTER)遺伝子が単離されている。INOは外珠皮で発現しており、これを欠くino突然変異体では外珠皮が形成されない。このことからINOは外珠皮の形成を制御すると示唆される。 本研究で用いるスイレン科植物は古草本類に属する被子植物の中では最も原始的なグループで、直生胚珠(バルクラヤ属)と倒生胚珠(その他のスイレン科)があり、INO遺伝子の相同遺伝子をスイレン科から単離出来ればINO遺伝子の機能を明らかにすることが出来る。 本年度は日本で採集出来るコウホネ・オニバス・ヒツジグサ・ジュンサイを用い、INOが属するYABBY遺伝子族の保存的配列YABBY DomainとZinc Finger Domainの配列を基にプライマーを設計しそれらの花のmRNAから遺伝子の単離を試みた。その結果すべての種でYABBY遺伝子族に属する遺伝子の断片を得ることが出来た。しかし、INO相同遺伝子は発現が限定されているため単離しにくく、今まででジュンサイ及び胚珠が多いため試みた熱帯産スイレンからのみINO相同遺伝子を単離することが出来た。さっそくin situ hybridizationによる発現解析を試みたが熱帯産スイレンでは良い切片が得られ胚珠形成初期に外珠皮形成部位で発現を確認することが出来た。ジュンサイではよい切片を得られていない。バルクラヤ属は13年11月にマレーシアに採集に行ったが採集地が直前に洪水に見舞われており良い植物を得ることが出来なかった。
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