2002 Fiscal Year Annual Research Report
アピコンプレックス類における色素体様オルガネラの超源と進化
Project/Area Number |
13640709
|
Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
長谷川 政美 統計数理研究所, 予測制御研究系, 教授 (60011657)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 哲男 筑波大学, 生物科学系, 教授 (50208451)
|
Keywords | アピコンプレックス類 / アピコプラスト / 色素体様オルガネラ / アルベオラータ / 真核生物 / リボソームRNA / ペプチド鎖伸長因子 / 分子系統樹 |
Research Abstract |
アピコプラストの起源と進化を明らかにするとともに、アピコンプレックス類の系統進化を解明することを目的として研究を進めた。本年度は、昨年度に引き続きアピコンプレックス類とそれに近縁な分類群である渦鞭毛藻類・繊毛虫類との系統関係の解析、アピコンプレックス類、渦鞭毛藻類、繊毛虫類を含む大きな分類群アルベオラータの真核生物全体の中での系統的位置づけの解析を行なった。さらに、アピコンプレックス類に属する分類群であるマラリア原虫plasmodium属内部の系統関係についても検討した。 マラリア原虫plasmodium属の生物種plasmodium vivax(ヒト三日熱マラリア原虫),P.malariae(ヒト四日熱マラリア原虫),P. coatneyi(サルマラリア原虫),P.gallinaceum(トリマラリア原虫)に関し、細胞質ならびにアピコプラストのリボソームRNAで配列データの存在しないものの遺伝子解析を試みた。これらのデータを含めて、Plasmodium属内部の系統関係を検討し、P.coatneyiがP.vivaxやその他のサルマラリア原虫に近縁であることを明確に示した。 一方、昨年に引き続き、最新のデータをもとにアルベオラータの真核生物内部での位置づけを検討し、アルベオラータの姉妹群がストラメノパイルであることをより多くのデータに基づいて確証した。また、アルベオラータ・ストラメノパイル、ユーグレノゾア、植物(緑色植物・紅藻)の3つの大きな系統が単系統となる可能性の高いことを示した。
|
-
[Publications] N.Arisue, T.Hashimoto, M.Hasegawa, et al.: "The phylogenetic position of the pelobiont Mastigamoeba balamuthi based on sequences of rDNA and translation elongation factors EF-1a and EF-2"J. Euk. Microbiol.. 49. 1-10 (2002)
-
[Publications] N.Arisue, T.Hashimoto, M.Hasegawa et al.: "Phylogenetic position of Blastocystis hominis and stramenopiles inferred from multiple molecular sequence data"J. Eukaryot. Microbiol.. 49. 42-53 (2002)
-
[Publications] 橋本哲男, 長谷川政美: "真核生物の初期進化;「ゲノムからみた生物の多様性と進化(五條堀孝編)」(分担執筆)"シュプリンガー・フェアラーク東京(印刷中). (2003)