2001 Fiscal Year Annual Research Report
窒化物量子ピラー選択成長による垂直型結合量子ドット作製に関する研究
Project/Area Number |
13650005
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
川崎 宏治 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (10234056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青柳 克信 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (70087469)
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Keywords | GaN / ナノ構造 / 選択成長 / 共鳴トンネルダイオード / 負性微分抵抗 / 結合量子ドット / MBE / アンモニア |
Research Abstract |
本年度は量子閉じ込めの生じる直径20nm以下のGaNナノ構造の選択成長条件を見出し、共鳴トンネルダイオード(RTD)を作製してGaN系ヘテロ量子構造の特性を評価することを目的とした。 EBリソグラフィによりSi02選択成長窓をAlGaN/SiC基板上に形成し、Gaとアンモニアを用いてGaNのMBE選択成長を行った。成長温度800℃で良好な選択性が得られ、{1-100}と{1-102}で構成されるGaN柱状結晶が得られた。V/III比を変えることで得られる結晶の形状が大きく異なることが分かった。形状の変化は、上記の2面において縦の面の{1-100}の方が窒素の付着係数が小さいため、低いV/III比では横方向成長が抑制されていることに起因している。本条件で直径10nm、高さ600nmのGaNナノ構造の選択成長に成功した。さらに柱状構造の高さは成長窓の直径に依存しないこともわかり、集積化時にも個々の構造の成長条件を変化させることなく、成長窓の設計のみで量子準位を規定できるメリットがあることを示した。 次に、この選択成長法を用いてAlN(1nm)/GaN(5nm)/AlN(1nm)/GaN(50nm)の構造を有するRTD素子を作製し、量子構造の特性を評価した。20Kにおける測定の結果、明瞭な負性微分抵抗を観測した。バリア構造から数値計算した値と比較した結果、2.5nmのGaN井戸の基底鼻子準位、さらには第二量子準位を介した共鳴トンネル現象が原因であることが分かった。計算により、両エネルギー差は1.5eVと非常に大きな値を取っていることが明らかになり、GaN系材料の閉じ込めの強さ、及び、その有為性が示された。今後、本手法により結合量子ドット構造を形成し、その輸送特性を評価する。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Kawasaki, D.Yamazaki, A.Kinoshita H.Hirayama, K.Tsutsui, Y. Aoyagi: "GaN quantum-dot formation by self-assembling droplet epitaxy and application to single-electron transistors"Appi.Phys.Lett.. 79. 2243-2245 (2001)