2002 Fiscal Year Annual Research Report
窒化物量子ピラー選択成長による垂直型結合量子ドット作製に関する研究
Project/Area Number |
13650005
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
川崎 宏治 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (10234056)
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Keywords | 窒化物 / 選択成長法 / 結合量子ドット / GaN / 単一電子トランジスタ / 量子ピラー / 量子相関素子 |
Research Abstract |
GaNに代表される窒化物半導体材料による量子ドット構造は、GaN/AlNにおいてはその伝導帯の不連続量が2eVと大きいため、電子を強く閉じこめることが可能であるため、結合量子ドットを形成すれば、量子相関素子等の将来の量子演算素子の実現に有利である。前年度は、選択成長法を用いて直径10nmのGaNナノ量子ピラー構造の作製に成功した。今年度は、本構造内にAlNとGaNのヘテロ構造を形成させることを目的として研究を行った。 SiO2によりマスクを施したAlGaN基板上に、MBE選択成長法を用いて、GaNとAlNを交互に選択成長させることでGaN/AlNヘテロナノ構造を形成させた。その構造中のGaN量子ドットの直径は100nm、高さは5nm、またAlNのバリア層厚は1nmであった。この量子構造の評価のために、ソースおよびドレイン電極を、基板の裏面および量子ドットの上にとり、ゲート電極としてはSiO2マスク中にあらかじめ埋め込んだものを用い、縦型の単一電子トランジスタを作製した。6Kにおいて共鳴トンネル現象に起因する、明瞭な負性微分抵抗を観測した。本トランジスタにおいて電荷安定図を作成したところソースドレイン電圧が0の近傍において周期的なクーロンダイヤモンドを確認できた。6meVの帯電エネルギーから求めたドットの自己容量は60aFであり本量子ドットのサイズから求められた値とよく一致する。この結果は、本選択成長法により良好な窒化物の縦型量子構造が形成できること、および将来の量子相関素子が窒化物を用いて実現可能であることを示すものである。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Koji Kawasaki, Ikuo Nakamatsu, Hideki Hirayama, Kazuo Tsutsui, Yoshinobu Aoyagi: "Formation of GaN nanopillars by selective area growth using ammonia gas source molecular beam epitaxy"Journal of Crystal Growth. 243. 129-133 (2002)