2001 Fiscal Year Annual Research Report
環境考慮型半導体β-Fesi_2の薄膜成長と受発光デバイスへの応用
Project/Area Number |
13650020
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
植草 新一郎 明治大学, 理工学部, 教授 (10061970)
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Keywords | 環境半導体 / 無毒 / 太陽電池 / 受発光素子 / OEIC / シリコンベース / β-FeSi_2 / レーザーアブレーション |
Research Abstract |
Si(111)基板上に作製したβ-FeSi_2(220)においてSi基板からの歪を受けることにより、振動子強度が有限の直接遷移型半導体になるという理論的報告がある。この報告に基づき、Si基板上にエピタキシャル成長を行ったβ-FeSi_2薄膜の成長条件を変え、歪の影響を大きく受けるβ-FeSi_2の作製を行った。 はじめに作製したヘテロ接合ダイオード、p-β-FeSi_2/n-Siの容量電圧(C-V)測定を行った。接合部分の不純物分布が接合を急峻に変化する片側階段接合の場合、接合容量はVに対して1/C_j^2をプロットすると直線が得られる。また、接合部分の不純物分布が接合をなだらかに変化する片側傾斜接合の場合はVに対して1/C_j^3をプロットすると直線が得られる。 基板温度400℃で成長したサンプルのみ1/C_j^2-Vプロットにおいて直線が得られ片側階段接合となっていること、また基板温度を500℃で成長を行ったサンプルは1/C_j^3-Vプロットで直線が得られ、片側傾斜接合となっていることが明らかになった。この理由としては500℃という基板温度のために、薄膜成長中に接合部でFeおよびSi原子が不純物としてそれぞれSi基板とβ-FeSi_2薄膜側に相互拡散するためと考えられる。実際にRBS法による組成分析の結果Si基板側にFeが1%ほど拡散していることが確認できた。 次にラマン散乱分光測定の結果より。基板温度を400℃として成長した基板のみSiのラマンピークが低波数側にシフトしている。このラマン散乱分光測定の結果とC-V測定の結果より、Si基板から歪の影響を受けていることが示唆される。
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Research Products
(1 results)