2002 Fiscal Year Annual Research Report
環境考慮型半導体β-FeSi_2の薄膜成長と受発光デバイスへの応用
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13650020
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
植草 新一郎 明治大学, 理工学部, 教授 (10061970)
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Keywords | 環境半導体 / 無毒 / 太陽電池 / 受発光素子 / OEIC / シリコンベース / β-FeSi_2 / レーザアブレーション |
Research Abstract |
我々が成膜したβ-FeSi_2薄膜をDLTS法により測定し、as-depositionの状態のサンプルで深い不純物準位が多数確認された。これらの不純物はターゲットに約0.01%程含まれるMn、Cr、Co、Ni、などの不純物および結晶性が悪いために見られる転移などの影響と考えられる。これら深い不純物準位が発光を妨げる原因の一つになっていると考えられる スパッタ法、IBS法、RDE法など発光が確認されている作製法と比較検討を行い、β-FeSi_2を発光させるために必要な要因の一つに結晶性のよさが大きく関わっていると推定し、900℃40時間の高温長時間熱処理を行い、X線回折測定法のロッキシグカーブ測定から20時間以上の熱処理を加えた場合、β-FeSi_2の半値幅が約50%程度減少し、結晶性の大幅な回復がみられた。また、as-depositionのサンプルと熱処理後のサンプルのRBS測定を行った。as-depositionのサンプルにおいてSi : Fe=2:1のターゲットを用いて成膜しているにも関わらず成長膜においてSiリッチな組成になっていることが判明した。これは成長時の基板加熱により基板シリコンが薄膜中に拡散しているものと考えられる。熱処理を行うことによりシリコン基板内へ鉄が多く拡散することが確認された。しかしながらSiリッチであったβ-FeSi_2薄膜の組成比が改善することが確認され。β-FeSi_2薄膜の結晶性の回復には組成比の改善が伴うことが確認された。 次に、40時間の熱処理を加えたサンプルをPL測定したところ微弱ながら発光が確認された。いままでPLD法ではβ-FeSi_2の発光が確認されてはおらず、我々が初めて発光を観察した。今後、β-FeSi_2膜の発光素子を作製する上で大きな指針となるものと確信している。
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Research Products
(1 results)