2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650022
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
片桐 裕則 長岡工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (30149918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 耕一郎 長岡工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (90300558)
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Keywords | 薄膜太陽電池 / CZTS / 光吸収層 / ACホール効果 |
Research Abstract |
銅-亜鉛-錫-硫黄系化合物を光吸収層とする環境調和型薄膜太陽電池を開発するに当たって、光吸収層の電気的特性の杷握が重要なポイントとなっている。そこで本研究では、磁場可変型ACホール効果測定システムを構築すると同時に、光吸収層の作製条件の最適化を図り大幅な変換効率の向上を達成した。 通常のホール効果測定では、測定信号にDCドリフトと高周波ノイズ成分が重畳されることが多い。特に高抵抗試料に対しては、これらの誤差要因が大きくなり測定不可能となることがある。本研究で構築した測定システムでは、磁場の向きと大きさを極低周波で変化させ、これと同期して現れる純粋なホール起電圧のみをロックインアンプで検出するものである。本システムでは、測定原理上、試料形状によるDC不平衡電圧、測定系によるDCドリフト、高周波ノイズ等に影響を受けない測定が可能である。システムのテストで用いたシリコンの試料では、メーカー仕様書に極めて近い測定結果が再現性良く測定できている。一方、本研究対象である光吸収層薄膜では移動度が極めて小さく、現段階では測定の再現性に問題がある。今後、他研究機関との相互比較を行い、測定手法の完成を目指す予定である。 基板前処理用として、UV洗浄装置および純水製造装置を導入した。有機洗浄の手法を、従来の湿式洗浄からドライ洗浄に変更したことにより、第1層目の薄膜の付着性に変化が生じることが予想できる。そこで、光吸収層の製膜条件を見直し、新たに最適化を図った。その結果、本材料系による薄膜太陽電池の従来の最高変換効率2.62%を大きく上回る4.13%の変換効率を達成した。 次年度において、光吸収層の電気的諸特性と薄膜太陽電池の変換効率との関連を明らかにする予定である。
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