2001 Fiscal Year Annual Research Report
生物表面の微細周期構造による光吸収現象(Moth eye効果)の解明
Project/Area Number |
13650023
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Research Institution | Kumamoto National College of Technology |
Principal Investigator |
松田 豊稔 熊本電波工業高等専門学校, 情報通信工学科, 教授 (00157322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 英治 熊本電波工業高等専門学校, 助教授 (00237752)
伊藤 日出男 産業技術総合研究所, サイバーアシスト研究センター, チームリーダー
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Keywords | Moth eye 効果 / 周期構造 / 安浦の方法 / 並列計算 / 最小2乗法 / 表面プラズモン / モード変換 |
Research Abstract |
本研究では、微細周期構造による光吸収のメカニズムを解明することを目的として、平成13年度中に下記の研究を行い、その結果は国内外の学会や論文誌で発表した。 (1)計算機シミュレーション Moth eye効果に代表される生物表皮にある微細周期構造による光吸収特性を数値計算により解析するための安浦の方法に基づくソフトウェアの開発を行った。まず、波長に比べて比較的浅い2次元周期構造を考え、この微細周期構造において表面プラズモンによる共鳴吸収の特性解析を行い、吸収の発生条件(入射光の波長や入射角)および吸収量の数値計算による推定が可能であることを示した。次に、深い2次元周期構造の光吸収現象を解析するために、多層構造の2次元周期構造による回折問題を考え、その数値計算のためのアルゴリズムを導いた。そして、安浦の方法において生じる最小2乗法において、連続蓄積法の採用により数値処理量を大幅に軽減でき、さらに並列計算の導入により計算時間を短縮できることを確かめた。 (2)実験 微細周期構造による光吸収として、金属格子による表面プラズモン共鳴吸収の測定実験を行った。そして、光共鳴吸収の確認とともに、共鳴吸収に伴うモード変換(P型偏光の入射に対してs波偏光の反射光が、逆にp型偏光の入射光がs波偏光の反射光となる)を実験的に確かめた。これらの実験結果は、数値解析の結果と一致しており、周期構造による共鳴吸収のメカニズムを解明することができた。 Moth eye効果が発生する深い2次元周期構造による光吸収の実験とその特性解析が、来年度(14年度)の研究課題である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] D.Zhou: "Analysis of surface plasmons excited on a thin metal grating placed in classical or conical mountings"Memoirs of the faculty of engineering Kumamoto University. 46・2. 59-75 (2001)
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[Publications] D.Zhou: "An efficient technique for numerical solution diffraction from a multilayer-coated bigrating"Proc. of AP-RASC'01. Tokyo. Japan. (2001)
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[Publications] T.Matsuda: "Numerical analysis of diffraction from a multilayer-coated bigrating"Proc. of PIERS 2001, Osaka, Japan. 324 (2001)
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[Publications] T.Matsuda: "Numerical analysis of the problem of plane-wave diffraction from a multilayer bigrating"電気学会電磁界理論研究会 資料 EMT-01-62. 1-6 (2001)
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[Publications] 周 大慶: "コニカルマウントされた金属格子における表面プラズモンの励振"2002年電子情報通信学会総合全国大会 C-I-10. (2002)
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[Publications] T.Matsuda: "Numerical analysis of Plasmon-Resonance absorption in bisinusoidal metal grating"Journal of the optical Society of America A. (掲載予定). (2002)